Lucky 7



*琴音さん宅レティシアちゃん(★ヘルガー♀)お借りしました



枕元の照明に灯を入れて、そっと寝具を捲ればいい笑顔をした少女がひとり。今日も仕事をやってのけたと言わんばかりのその表情に思わず頬が綻び、いそいそと隣に潜り込んだ。

「スピカ、あったかい?」
「ええ、とっても」

人肌でぬくもった毛布は心地好く、うっかりすればとろりと瞼が落ちてしまいそうだ。くすくすと笑い声を零してサイドテーブルへ手を伸ばし、肩まで毛布で埋もれてしまいたい気持ちをぐっと堪えて本を手繰り寄せた。
眠る前の読み聞かせ、とまではいかないものの子供向けの童話を隣の少女――レティシアに読んであげることが最近の楽しみのひとつなのである。

「今日は、そうですね。お姫様と王子様のお話を読みましょう」

既にレティシアは耳を欹てて聞く体制に入っていた。そんな様子も可愛らしいと姉馬鹿な気分を味わい、ぺらりとページを捲った。
話はどこにでもある、貴族の恋物語だ。
箱入り娘のお姫様が舞踏会で出会った王子様と恋に落ちて、知恵を絞りながら口説き落とそうとする。何処か自分たちのような内容に苦笑しながら一文字ずつ丁寧に読んでいくと、どうやら彼女の方が限界を迎えたようでうつらうつらと頭が揺れていた。

「レティ、続きは明日にしましょう。もう遅いですから、ゆっくりと眠ってくださいね」
「ん……スピカ、おやすみ……」

言葉尻が消えていき、入れ替わるように規則正しい寝息が聞こえてスピカの頬がまたも綻んだ。彼女の綺麗な髪を何度か撫でて本をサイドテーブルに置き、自身もまた毛布の中へと納まった。

「おやすみなさい、レティ。また、明日」

可愛い妹の額へとキスを落とし、彼女もまたとろりと夢の世界へ落ちていくのだった。




Lucky 7