Lucky 7 *各方面お子様借りております。 【フリージア×フラーウムちゃん】 鬼ごっこはおしまい。さあ、いい加減僕のものになってよ。そうとでも言いたげに首を傾げ、燃えるように真っ赤な薔薇を目の前に差し出した。 そう、この恋情は炎。自身を焼いて焦がし、灰すら残らない爛れた毒のような愛情。痛みも苦しみも、全てが毒のように甘く、彼女を想うだけで頭が狂ってしまいそうな強烈な麻薬。 瞳に映るフラーウムの表情からは何も読み取れなかった。もしかしたら、否定されることの恐怖で脳が理解していないのかもしれない。 「愛してるんだあ。だから永遠に、ぼくという鎖に囚われてよ」 焦がす炎ならば、彼女の炎が欲しかった。 * * * 【オリーブ×イヴちゃん】 童話のようなプロポーズはどうだろうか。白馬に跨り、王子様のように手を差し伸べて甘い微笑みを……というところで一旦思考をシャットアウト。 これはない。なさすぎる。自分とのギャップが酷くて思わず頭を抱えてしまった。こんな風に告白されたら間違いなくドン引きまっしぐらである。というよりも、自分が女だったらそんな勘違い男に真顔になることは目に見える。 そうなるとやっぱり直球勝負しかない。どちらにせよあまり遠回しな表現は自分も苦手なのだから。 「イヴ、好きだ。付き合ってほしい。いや、結婚を前提に……」 あまりにも飛躍したプロポーズだと気付くには、少し時間が掛かりそうだ。 * * * 【インディゴ×歌奈ちゃん】 さて問題です。愛しい彼女に虫が付かない方法はどうすればいいでしょうか。 答えは簡単。殺虫剤を撒けばいい。というのはまあ、冗談で。自慢の彼女は魅力的過ぎて周囲が振り返ってしまうのも頷ける。寧ろ振り向かないとかどういうことだろう、ホモかな。と悪態を吐くレベルにはベタ惚れなのだ。今更だけれど。 けれどそうホイホイ声を掛けられるのも釈然としない。だからせっかちな少年はひとつ、気付いたのだ。マーキングしちゃえ、と。 「歌奈、結婚しよ?」 彼女の綺麗な指に、銀色の指輪を通しながら微笑んだ。 * * * 【ヴィオレ×みずきちゃん】 まずは枕元。一輪の薔薇は君しかいないという自己の吐露。 次はダイニング。テーブルに飾った三輪の薔薇は愛しているの心。 キッチンには五輪の薔薇。君に出会えたことが心からの喜びだと伝えたい。 バスルームに九輪。いつまでも一緒にいてほしいんだ、不実な僕だけど。 そろそろ君は気付いたかな。11本の薔薇が君の机に飾ってあったことを。 呼び鈴が鳴った。宅配業者が君に99本の薔薇の花束を運んでくれたようだ。 最後は僕から。残念なことに999本の花束は用意出来なかったから。 「みずき、愛してるよ。もう一度僕と結婚してくれますか?」 108本の花束と共に、ささやかな悪戯の一日を。 * * * 【ガデュー×ジャスミンさん】 一時だったかもしれない。契約によって結ばれただけだったのに、酷く愛しくて。何度も振り切ろうとしたが振り切れなかった感情が日に日に増していく。 今でこそ元契約関係だが、それでも感情は萎むどころか膨らみ続ける。初めてのことに自分でもついていけない。けれど、心のどこかでは納得していた。彼女のことが、ジャスミンのことが好きなのだと。 だから彼は膝を折った。剣を彼女の前に掲げて頭を垂れた。何かを捨てるのならば、彼女の為がいいと。 「俺の剣はお前の為に。俺に愛と忠誠を誓わせてくれ」 元騎士は、不器用な愛を紡いだ。 * * * 【シナモン×イクスちゃん】 ナンパ癖はやめられないけれど、昔よりも頻度は減った気がする。どれだけナンパをしても、彼女以上の人に出会えないのは分かっているのだから。それほど、彼女が好きなんだと実感してにへらと笑う。脳裏にイクスの笑顔が浮かぶだけで心がほっこりするのだから現金なものだ。 かわいい。可愛い。ガールフレンドが可愛すぎる。 どんどんと語彙力がなくなっていくことに本人は気付かず、満足そうな顔で頷き彼女へと囁いた。 「将来、僕頑張ってイクスの為にお家建てるからね」 だから結婚してね、暗に伝えて彼女へ抱き着いた。 * * * 【キリィ×アルピナさん】 結婚してから、彼女の色んな一面を知った。勿論、素敵で可愛いお嫁さんの更に可愛い面を知れた、という意味だが。 彼女の淹れたハーブティに、彼女が焼いてくれたクッキー。最高の組み合わせに舌鼓を打ちながら優雅な休日を過ごすのは贅沢なことだ。ゆったりと寛いで鼻歌混じりに家事をする彼女の背中を眺めた。手伝おうとは思ったのだが、皿を二枚割ったところで諦めた。多分、手伝ったら更に被害が増える。 そろそろかな、と彼女を呼んで隣に座ってもらう。そして、小箱を開けた。 「遅くなりましたが、結婚指輪ですよぉ。アルピナさん、愛してます」 小ぶりな指輪を差し出して、もう一度愛していると囁いた。 * * * 【アルタルフ×ヒイラギさん】 薔薇を一輪摘むと丁寧に棘を抜く。最初の頃は不慣れだったが、今では随分と手馴れてきて怪我をする回数も減ってきた。全体を確認して棘がなくなっていることを確認するとくるりと振り向いて、ヒイラギの帽子を外すとそっと刺抜きした薔薇を飾った。 一瞬驚いた顔をする彼女が可愛くて顔全体で笑えば、彼女もつられてふんわりと微笑んでくれる。その一連の流れだけで、心の奥がほわっと温かくなるのを感じることが出来た。 「ヒイ、ラギ、あいしてます。ずっと、一緒、いたい、です」 見合う男になる為に、また一歩、足を進めた。 * * * 【恵琉×沙那さん】 日課である精神統一を終え、素振りや居合切りを繰り返し、ひと段落着いたところで袖で汗を拭う。すると不意に背後で拍手が聞こえ、振り返れば愛しき兄の姿。集中していて気付かなかったことに後ろめたさを覚えつつも微笑み、此方へどうぞと近くの休憩所へエスコートする。 さっきの剣筋が凄かった、構えが堂に入っていて。そんな風に褒められてこそばゆくなりつつも彼の前で恭しく膝を折り、顔をあげる。 この日課を止めないのは、そう。 「兄さま。私は兄さまの剣になりたい。兄さまの世界を守る剣に」 世界より愛しい兄が望むものが全て、手に入るようにと。 * * * 【弥凪×ロゼちゃん】 リアルで彼女――彼を見た瞬間、分かった。 あの人がロゼだ。あの人がおれの心を離してくれない人だ。気付いたら愛しくて、大切で、ずっと傍にいたいと願った人だ。見た目が違っても、そんなのは関係ない。だって、ロゼの心を好きになったんだから。 何を話そう、何を伝えよう。サイバーで出会った頃から好きでした。今リアルで出会ってもっと好きになりました。ぐるぐると言葉が脳という海を泳ぐ。 そうだ、言いたいことはあるじゃないか。これを言わないと。 「こっちでも向こうでも、おれと付き合ってください!」 ほら、素のおれはこんなにも言葉足らずのガキなんだ。 |