Lucky 7



*琴音さん宅歌奈ちゃん(★チルタリス♀)お借りしました



熱い。酷く熱い。
頭はボーっとするし、視界もぐにゃぐにゃとしている。辛うじて色は判別できても、輪郭はごちゃごちゃだ。
移動の途中で風邪を引いて、気が付いた時には見事に悪化。本当にツイてない。

「だから夜更かしはダメって言ったでしょ」
「だってぇ」
「だってじゃない」

ぴしゃりと言い切られて反論の言葉も思いつかず、音にならない声が喉を震わせた。看病していてくれる歌奈にうつさないようにしたいけれど、もっと傍にいたい。二律背反の感情が脳を支配して、熱でまともなことを考えられない。いや、既に思考は放棄しているけれど。

「かぁなぁー……熱いぃ……」
「そりゃ風邪ひいたら熱いわよ」
「かぁなぁー……ちゅーしてぇ……」
「お馬鹿!」

ぺちんっと額に濡れタオルを当てられて、あでっと声が出る。
普段なら背後から抱き着いて、今頃キスの嵐を巻き起こしているのに。それが出来ないもどかしさと口惜しさに唸れば、それを宥めるような優しい手が振ってきた。そしてそのまま、労わるようにおれの頭を撫でる。
ぐにゃぐにゃに歪んだ視界でも、歌奈の顔だけははっきりと見える。それが愛の成せる業なのかは分からないけれど。

「……早くよくなりなさい。調子狂うわ」

ほんのり頬を薔薇色に染める彼女の顔があまりに可愛すぎて、手を伸ばした。不意を突かれて抱きしめられた歌奈は驚いたような声を出していたけれど、構うもんか。
抱きしめてガラガラな声で囁いた。心のうちを。

「歌奈、愛してるよ。おれ、早く大人になって、歌奈にウエディングドレス着せるから」
「い、今はそんな話してないでしょ!」

そんなツッコミも、今は聞く耳を放棄。だって、おれは風邪の患者なんだから。




Lucky 7