Lucky 7



*花梨さん宅イナさん(グラエナ♂)お借りしました



胸倉を引き寄せて、噛みつくようにキスをする。驚いたように目を開く彼が愛しくて、おまけと言わんばかりに獣のように食らいついた。
深いキスをすれば止まらなくなってしまうから、そう言い聞かせてきっかり10秒。素直に口を離せば、名残惜しそうに銀色の糸がふたりの唇をつないだ。

「結婚してくれないか」

唇も乾かぬうちに、双眸を細めてクルックは囁く。まだ驚いたままのイナの頬を撫で、大きな胸元に頭を預けた。とくん、とくん、優しく鳴る鼓動は耳を傾けないとはっきりとは聞こえない。
愛を知らない女が初めて本気で愛した男。そんな特別に、酔いたくなった。感情がないとまで言われたこころに、一筋の光が差した。これを幸福と呼ばずして、何を幸福と呼べばいいのだろうか。

「なあ、イナ。結婚してほしい」

もう一度囁いた。この心に偽りがないのだと告げるように。
いつもの強気でしたたかな悪女ではなく、たったひとりの女として。
愛しい、恋しい。そんな誰しもが抱く優しい感情を、声に乗せて伝えたかった。

「クルック、こっち向け」
「?」

顔を上げれば、降り注ぐのは優しいキスと太陽のような微笑み。大きな手がクルックの頭をわしわしと撫で、そのままぎゅうっと抱きしめられた。
一瞬何が起きたのかと目を瞠れば、先程の彼と同じような表情をしていることを彼女は気付かない。
抱きしめられた腕の中は、あたたかかった。優しい温度に、瞳から零れたのは静かな雫だった。




Lucky 7