Lucky 7



*ひふみさん宅九浦くん(★クチート♂)お借りしました。



鍋が小気味のいい音を立てて煮立ったようで、慌てて火を止める。ふわりと香る味噌の匂いは食欲を増進しそうで、知らず頬が緩んだ。
初めて恋人に振舞う手料理。三日前からばっちりと手順を頭に叩き込み、準備は万端だ。土鍋で炊いた白米もほこほこと美味しそうな湯気を立てている。
台所で忙しなく動いていると、なんだか新婚のような気分になってしまう。想像して薫は慌てて首を振った。想像だけで照れが先行しまったからである。

「薫ちゃん、手伝うことある?」
「あ、えっと……少し待ってくださいね」

ひょこりと姿を見せた九浦に驚きつつ、何か手伝ってもらえることはないかと調理場を見回した。
料理はあと少しで終わる。洗い物も済んでいる。
あ、と声を漏らすと台拭きを濡らして固く絞った。ぎゅっぎゅと水滴が落ちないように絞り終えて、それを九浦に渡す。

「では、食卓を拭いておいてもらえますか? そのあとに、お箸を並べてくださいね」
「ん、了解」

柔らかな笑みを浮かべて台所から姿を消した彼に手を振り、そしてたっぷり5秒。へにゃへにゃと力が抜けたように座り込むと、両手で顔を覆った。

「く、九浦さん……格好良すぎです……」

時を超えた片想いが実っただけでも嬉しいのに、こんなに温かな日常を送れるだなんて。胸を焦がす愛しい炎は優しく燃え盛り、さらに勢いを増していく。
時間を計測していたタイマーが喧しく鳴り響くまで、そんな甘酸っぱい幸せを噛みしめ続けるのだった。




Lucky 7