Lucky 7



*花梨さん宅イナさん(グラエナ♂)お借りしました



旅の途中、様々な国に立ち寄る。そういった国や街の露店を回るのはなかなか面白く、掘り出し物や変わり種も多い。
ほんの少しの自由行動。待ち合わせは一時間後の宿屋と決めて露店を冷かせば、見慣れぬ乾物屋の前で足が止まる。店主は若い女性で、子供を背負っているのが印象的だった。
ここではない街の菓子を販売している、という言葉の通りに甘い香りがした。嗅ぎ覚えのあるものから、あまり知らない独特の匂いまで様々だったが面白い。試しにと何種類か購入してご満悦で宿に戻った。

「イナ、帰った」
「お帰り。なんか買ってきたのか? いい匂いする」
「商売上手な露天商からな」

腕の中に留めていた菓子をばらばらと彼の座っているベッドに落とす。きちんと包装されているのでベッドも菓子も汚れる心配はない。
適当にその中から一つを選んで包装紙を破り、中身を取り出すとどうやらそれは焼き菓子のようだった。細い棒状に焼いたクッキーにチョコレートを掛けたような不思議な菓子。様々な角度から凝視してぽきりと食べてみると甘すぎず、さくさくと食べたくなる不思議な魅力を感じた。

「おお、悪くない」
「じゃあ俺も少し……」

手を伸ばしてきた彼から、菓子を遠ざける。素早く避けられて意味が分からない、とでも言いたそうな顔に唇が吊り上がった。悪戯心がむくむくと膨らむ。

「イナ、ほら。食べても構わないぞ?」
「ばっ、」

その言葉と同時に菓子を胸の谷間に挟んで見せびらかした。チョコレートのかかっていない持ち手の方なら挟みやすいな、というどうでもいい知見を得て得意げになっていると彼の表情がみるみるうちに赤くなっていく。

「どうした? 食べるんだろ?」
「クルック、お前なあ……」

赤くなったその表情が可愛らしい。相変わらず悪戯し甲斐のある男だと喉奥で笑うと、照れた彼の唇が飛んできた。




Lucky 7