Lucky 7



ぴょい、と身軽に飛び跳ねる少女を目で追い、その後ろを追い掛ける。普段からアナグラの中を好き勝手走り回るが、矢張外ではそれ以上だ。縦横無尽に、足場があれば。まるで呼吸するかのような自然な動きは無駄がない。

「ほらほら、皆置いてっちゃうよー!」

皆が追い付いていないことに気付いたのか、漸く此方を振り返った。ブラッド隊長は自由気ままだ、その後ろ姿は渡り鳥のようにも見える。
彼女のその背に翼がなくて、本当によかったとエミールはほっと胸を撫で下ろす。翼があればきっと、彼女は世界を飛び回る。自身の限界にも気付かず。
長いことアナグラの仲間として接してきたが、オリエは誰よりも自分の限界を知らない。知らないから、知らぬうちに傷を負い、心を痛めて、ばったりと倒れてしまう。それは幼さ故だろう。大人ですら見極めることが難しい場所へ行き、そして限界を越える。そんな光景を何度も見てきた。

「オリエ君、無理はしていないか?」
「ん?へーきだよ?」
「無理だけはしないでくれ。」

追い付いたその小さな背中に、語り掛ける。オリエは不思議そうに首を傾げていたが、その真意には気付かないだろう。後ろから待ってくださーい、とカノンの声が響く。そして前から響き渡る、アラガミの咆哮。

「よーし、行くよーっ!」

部隊長オリエの号令で一斉射撃が始まる。此処からは、無駄な考えなどしている暇はなさそうだ。





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