Lucky 7



*オリエ誕生日祝いです、殆ど祝ってないですが




少女を探すも、アナグラにはいなかった。まったくあのバイタリティは何処から来るのか。エミールは苦笑してラウンジへ足を運ぶ。いつもなら賑わうそこも、昼間とあっては人も疎らだ。ムツミもカルビと散歩に出てしまったらしい。がらんとしたラウンジのカウンターに腰掛け、のんびりと余暇を過ごす。ゴッドイーターの仕事は過酷で休みすら取れるか危うい。だから、こんな風に休める時間が大切なのだ。

「しかし、オリエ君は働き者だな。」

こんな日くらいは休めば良いものを。そんなことを考えていると、非番なのかブラッド隊の少女が歩み寄ってきた。

「あ、エミールさんだ。」
「ナナ君ではないか、休みかい?」
「うん!」

ナナはカウンターの裏から飲み物を取り出し、コップに注ぐと一気に飲み干した。豪快な飲みっぷりにエミールは思わずおお、と感嘆の声を上げた。かん、とガラスが小気味のいい音を立て行方に着地する。

「そんなエミールさんはもしかしてオリエちゃん待ち?」

誕生日だもんねー、と明るい声で告げるナナ。エミールも同調するように頷いた。ナナ曰く誕生日だということをすっかり忘れ、元気よくウロヴォロス討伐に向かったらしい。よりにもよって、そんな大型アラガミと戦いに行っているとは。思わず加勢に走りたくなる衝動を堪え、エミールはカウンターチェアに座り直した。
どうやら喉が渇いただけらしく、その後すぐナナは自室へと引き上げてしまった。出たのは昼前だと言うので、そろそろ戻ってくるだろう。

「たっだいまー!」

エントランスに響く声に聞き間違いはない。お転婆娘が帰ってきた音。立ち上がり、ラウンジを後にした。丁度オリエは同行者に挨拶をしているところだった。

「おかえり、オリエ君。」
「おおっ、ルミールお出迎え?」

どうやら本当に誕生日だということを忘れているようだ。やれやれと大仰に動き、そして彼女の肩に手をかける。そっと耳元へ寄り、静かに言葉を紡ぐ。

「誕生日、おめでとう。」

一瞬オリエは何を言われたのか分からず、思考停止に陥る。しかしすぐ、その意味を把握し、あっと声を漏らして口元を押さえた。どうやら漸く自分の誕生日を思い出したようだ。が。

「…………ケーキ、予約し忘れた。」
「む?」

さすが食欲の塊だ。こんなこともあろうかとケーキを予約しておいて良かったとエミールは笑う。

「今宵は2人で語り合おうではないか、今後のことも。」

騎士の名に恥じぬ優しげなエスコートでラウンジへ。そんな姿を見ていた極東支部員は顔を見合わせ、思わず噴出すのだった。





Lucky 7