Lucky 7



*エミール誕生日祝いだけと殆ど祝ってないのはご愛嬌



その日はいつもより晴れていて。彼の手を引っ張り、神機を携え走り出した昼の終わり。眩しいくらいに輝く太陽が辺りを照らし、死を与えられた世界に優しく降り注ぐ。
光を反射する水辺。生きると叫び続ける芝生。遺跡の奥に遺されたたくさんの本。まだ世界は諦めていないと語りかけてくるようだ。

「目標はっけーん!」

コンゴウの群れが暴れていると聞かされた昼の始まり。出撃許可を得ようにも一人じゃダメですとヒバリに一蹴され。通り掛かったエミールがならばと手を挙げてくれた。ふたりで任された掃討任務。まるでデートみたいだと茶化してきたロミオに手痛い一撃を喰らわせ、浮かれる気持ちを隠すことなく。そして、エミールの細い手首を握りしめて駆け出した。

「オリエ君、いけるかい?」
「いつでもいいよー!」

相棒とも呼べる神機を構え、眼前で暴れ猛るアラガミへその刃を向けた。この程度なら、幾多の危機を乗り越えたふたりの敵ではなかった。

* * *

帰還準備を終え、移動用のヘリの中。窓から外を眺めていたオリエが明るい口調で呟く。

「誕生日に引っ張り出しちゃってごめんね。」
「なに、気にすることなどない。力を持たぬ人々の為の剣になれたのなら本望さ。」

その言葉通り、エミールは気にした様子もない。先のミッションも、ひとりで終わらせてさっさと帰り、エミールの誕生日を盛大に祝う予定だった。まあ予定が狂ったお陰で、こうやってふたりきりーー正確には操縦士もいるがーーになれたのだから文句は言うまい。
デート、とは少し違う気もするがふたりきりは悪くない。浮かれた気分は沈むことを知らず、鼻歌でも歌いたくなるくらいだ。

「ルミール、お誕生日おめでとう!」

大好きな人の誕生日。直接極東支部へ戻らず、このまま少しだけ彼を独占したい。そんな欲が頭を出し、操縦士へ外部居住区への着地をお願いして、オリエは幸せそうに笑うのだった。





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