Lucky 7



パーカーのポケットの中、ヴーヴーと喧しい振動音が響いた。最近買った携帯電話。使い方がよく分からなくてシエルに教わり、今では随分と扱いにも慣れた気がする。振動はすぐ収まり、メールの受信だということを告げていた。ブラッド隊長という役職柄、業務連絡などがよく来る。こんなに忙しい仕事を押し付けてまったくジュリウスめ、と内心で毒づいたこともあるが、まあ何だかんだ楽しいのが事実だったりする。
ポケットから携帯電話を取り出し、起動すると矢張メールだったようだ。可愛らしいポップなメールアイコンがちかちかと点滅している。コウタかリンドウからの業務連絡だろうか。かちりとアイコンをタップすると、オリエの予想を斜め上にぶっ飛ばした件名がこれでもかと表示されていた。

「うっわー……」

思わず声が漏れる。もしかしたら迷惑メールより迷惑かもしれない、エミールの長ったらしい抽象的で内容が読み取れないメールがそこにあったのだ。
最近彼からメールがよく来る。エリナに訪ねると、エミールは携帯電話を新調したらしく絨毯爆撃のようにメールをしているらしい。当のエリナもそんな彼からのメール爆撃に遭っているようで随分と疲れた様子だ。先輩も気を付けてくださいね、なんて声を潜めて言われたのは記憶に新しい。

「なになに……」

読まずとも大体の予想はついている。また文面ギリギリまで使ったポエムが展開されているのだろう。かちかちとキーを叩きながら読み進めると、それはもう、予想と寸分違わない画面が自己主張激しく映り込んだ。
毎回思うのだが、彼のこのセンスはもっと別のところで発揮されれば良いのに。律儀に読むなんて思考はオリエの中にはなく、さっと読み飛ばすとゴミ箱のアイコンの中へメールを放り込んだ。だが、ほんの少しするときょろりと辺りを見回し、そっとメールを回収する。

「ま、ルミールがくれたやつだし?別に他意がある訳じゃないけど?まあブラッド隊隊長としては?他の部隊のメンバーとの交流も大切だよねー?」

なんて言い訳をしながら、エミールからのメールを保護した。そしてこっそりと作って鍵をかけた、大切なものというフォルダへメールを転送してからオリエは満更でもないように笑うのだった。





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