Lucky 7



*Twitterで修行してましたその4



最後の言葉

真っ白な部屋で無数の管に巻かれ、ひとつも動かない少女を硝子越しに見詰めた。何日そこにいるんだと飛び込んでいきたい気持ちを抑えて、硝子を触る手に力が篭る。彼女の放った最後の言葉がエミールを絡め取る。逃げて、きみだけでいい、生きて、だなんて。仮死状態に陥る姿をただ見ているだけなんて。

* * *

死ぬまでの君を全てください

こんなご時世だ、多分皆長生きなんて出来ないと思う。けどね、あたし、気付いたんだ。ルミールのこと、好きなんだって。我儘ばっかりで全然可愛くないあたしだけど、どうしてもひとつだけ、今言わないとダメな我儘なの。ねえ。
「エミール、死ぬまでずっと、あたしにきみの全部ちょうだい?」
なんて。

我ながら随分と気付くのが遅れてしまった。僕は君を愛していたのだろう。我が騎士道精神を以て全て捧げよう、君が望むのなら。
「オリエ君、君も僕に死ぬまで全てくれるかな?」
「ばーか、勿論あげるってのー!」
真っ赤に熟れた林檎の様に君の頬は真っ赤だが、花が咲いた様に笑う顔が、君の答えだろう。

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ふたりぼっち

敵に追われて早数分。仲間と分断され気付けばエミールと追い詰められてた。ピンチってこういう事言うのかなー、なんて笑っても冷や汗は隠せない。目の前には大型、しかもあたしの苦手としてる奴。
「ルミール、どーしよ?」
「切り抜けるしかないさ」
背中合わせで話し合い。ふたりぼっちも悪くないかも。

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独り占め

この時間が一番好き。この時間だけはルミールがずっとあたしだけ見てくれるから。二人きりのお茶会。紅茶はミルクたっぷりで。スコーンは焼き立て。何でもないただの休憩時感なのに心臓は休んでくれない。
「オリエ君」
呼ばれて振り返ると唇の少し上を彼の細い指が通り過ぎた。独り占めの、幸せな時間。

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君と僕の終末論

子供のように笑う君は、何を見ているのだろうか。酷く苦しそうに、呻き声をあげて、歯を喰い縛って戦う後ろ姿を僕は知っている。いつか終わってしまう世界を、僕が救うと言った日に出来っこないと笑っていた顔を僕は知っている。きっと君と僕は見ている道が違うのだろう。それでも、目標は一緒なのだ。

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未練たらしい

リボンを解いて髪を整える。手の中に収まるオレンジ色のそれ。君の瞳とよく似てる、なんてプレゼントされたら使わざるを得ない。いや。ふるふると首を振る。きっと他意なんてないのだろう、彼のことだ。
「…しししっ」
未練たらたら、どんなにボロボロになってもこれだけは多分、ずっと使うだろう。

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生き方は似ているのです(ナナ視点)

諦めないところとか、意見曲げないところとか。最初エミールさんがフライアに来た時から何となく似てるって思ってたんだよね。試しにジュリウス隊長に言ってみたら「確かに似ているな」って。うん、多分生き方がそっくりなんだと思う。極東支部預かりになった今でも思うんだ、ふたりはよく似てるって。

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大人の定義

ねえ、だなんて笑いながら彼を押し倒す。大人とか子供とか、そういうのは解らない。だってあたしはまだ子供だもん。彼は大人、年齢だけで考えれば。
「ルミール、大人と子供の境界線って、定義ってなんだろ」
何がふたつを分けるのか。ねえ、なんて呟いたら優しい金色の影は、あたしの唇を掠めていった。

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ただの強がり

僕は知っている。彼女が無理をして笑うことを。僕は知っている。彼女が怖いことを我慢して戦うことを。傷だらけになって、子供のように泣く姿。可愛い雑貨を買ったと笑う姿。そのどれもが本物のオリエ君だ。
「強がらなくていい、ありのままの君を、僕に見せてくれ」
ただの強がり少女に、そう囁いた。

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時間よとまれ

貴族のパーティーなんてとてもないけど参加出来っこない。だってあたしは野山を駆け巡ってた女の子で。今こそ多少名の知れたゴッドイーターになれたかもしれない。けど流石に貴族のパーティーだなんて。断ったのにエミールは君だから来てほしいと。そんな言葉が嬉しすぎて。時間よとまれ、そう願った。

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寂しいなんて言えない

あたしは子供じゃない。いつだって皆を引っ張る立場なんだから。強くなくちゃいけない。
「オリエ君は無茶をしすぎだ、少しは僕らを頼ってくれれば」
「だいじょーぶ!」
大丈夫だよ、まだやれる。頑張れる。皆頑張ってるんだもん、あたしだけが寂しいなんて、疲れたなんて、怖いなんて、言えないよ。

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未送信メール

彼女が極東支部に移籍してから随分と経つ。大雑把でずぼらな部分もあるが、通信端末を忘れるとは珍しい。本人に返却すべきだろう。エミールが端末を取り上げると、電源に触れてしまったのか画面が光る。表示された未送信は、ルミール大好きの文字列。不意討ちとは、エミールは困ったように微笑んだ。





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