Lucky 7



*びびさん宅アリアちゃんお借りしました




聖域と指定された場所へふたりで足を運んだのは初めてだった。今まではブラッドのメンバーと一緒に来ては農業に汗を流す日々。だが、今日だけは少しだけ事情が違う。

「アリアさ、初めて会った時より髪、伸びた?」
「え?」

不意に掛けられた問いに思わず身を竦める。ずっとずっと想っていた相手。優しくて前向きなロミオの声はアリアの胸の奥へすうっと落ちていく。
言われれば。ひとつにまとめた髪の束を触り、指折り数える。ひい、ふう、みい。ゴッドイーターになってから毛先を揃える以外で髪を切った記憶はあっただろうか。たぶん、なかった気がする。

「伸びた……かも?」
「だよなあ!俺、アリアの髪好きだぜ?」
「ええっ!?」

今度こそ驚き、思わず飛び退く。その様はまるで河に誤って落ちた仔犬のようだ。ロミオはけらけらと笑う。
その拍子に今しがた褒められた髪を結わいていたリボンが落ちた。彼はひょいとリボンを拾い上げてアリアの後ろに回り込む。緊張で何やら言語にならない言葉を話すアリアに「結ってやるよ」と優しい声。

「あ、ありがとう……」
「ああ!…………あ、そうだ。」

手際よく元の髪型に戻すと、ロミオは何かを思い出したようにポケットの中をまさぐった。なんだろう、アリアは静かにその姿を見つめる。

「アリア、誕生日おめでとうな!」

小さな包み。可愛くラッピングされたそれ。まさか彼が誕生日を知っていたなんて。まさか誕生日プレゼントをもらえるなんて。アリアのなかに感謝と申し訳なさが渦を巻く。しかしそんなことはお見通しだったのだろう。ロミオは満面の笑みを浮かべていた。

「俺が祝いたいだけだから気にすんなって。」
「あ、あああ、ありがとう……嬉しい……」

この人を好きで幸せだと、アリアは深く思った。その優しさが分け隔てないと知っているけど。今だけは、独り占め出来るから。





Lucky 7