Lucky 7



朝日が昇り、目が覚める。くらくらする程の日射しを受けて伸びをすれば、隣で謎の寝言を発する男が一人。はて、な。首を傾げた瞬間、オリエは真っ赤になってベッドから飛び降りた。そして見渡せば、どう見ても。

(う、わぁぁぁぁぁ寝ちゃったぁぁぁぁぁ!!!!!)

思わず頭を抱える。真夜中の夢見が最悪で。ブラッドのメンバー、同性のシエルやナナに寝れないと言えばよかったものの、ぱっと思い浮かんだのが今まさに夢を貪っているエミールで。転がり込むようにエミールの部屋に泣きつきに行ったのが深夜遅く。
寝ていたであろう彼は快く部屋へ案内してくれて、しかも淹れたての紅茶ーーオリエはストレートで飲めないことを知っているのでミルク入りのそれを用意してくれたのだ。

「も、もしもーし……」

未だにぐっすりと寝ているエミールの頭付近にちょこんと座り、声を掛けるもぐおーっという高いびき以外に返事はない。これからどうするべきか。火照る顔に手を当ててうんうんと唸りながら思案する。
別に疚しいことなんて何一つしていない。寧ろ、寝れない怖いを繰り返していたオリエを寝かし付けてくれた恩人である。
だからこのまま、何も言わず去ることに抵抗を覚えているわけで。

「!」

ぴん、と頭の上に電球が灯る。これならばなにも言わず去るわけでもないし、お礼も出来るではないか。善は急げ。オリエはエミールの部屋を物色し始めた。

* * *

オリエが部屋を出て数刻後。随分と外も賑やかになり始めて、エミールは目を覚ました。乱れてしまった髪を手櫛で軽く整えながら周囲を見回す。随分と部屋が荒れている。そして昨晩遅くに泣いて飛び込んできた少女の姿は、ない。

「む、これは……」

少女の代わりに在ったのは置き手紙。慌てて書いたのか誤字脱字が酷く、何度か書き直されていた。近くの屑籠にはさらに失敗したであろう痕跡が乱雑に詰め込まれている。

「ふっ、オリエ君らしいことだ。」

内容もとても簡素で。「昨日はありがとう、紅茶美味しかったよ。あとよく眠れました。ルミールが気持ち良さそうに寝てるのであたしは帰ります、オリエ」と綴られているだけだった。
エミールは小さめに笑い、身支度を整え始めた。





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