Lucky 7



歌とはいいものである。モニター越しに聞こえるユノの歌声。あの日から随分と経ったものだ。目を閉じ、少しばかりゆったりとした音で紡ぐ旋律。もともとあまり歌は上手ではないからとユノの歌を真似ることはなかったが、どうしてか心に響いた今は、歌わずにはいられなかった。

「ふう。」

最後の音を伸ばして、息を吐く。その時だった。ぱちぱちと拍手の音が鳴る。驚いて音の方を見れば、感動したと言わんばかりのエミールが、そこにいた。

「いっ、いつから!?」
「素晴らしかった……ッ、是非今度我が家のパーティーで披露してほし、」
「だからっ、いつからいたのってば!!」

顔を真っ赤にして詰問するオリエの言葉など耳に入らないのか、エミールは次々と賛辞の句を述べ続ける。オリエはぶんぶんと頭を振って恥ずかしさを爆発させるように耳を塞いだ。そんな彼女の様子に漸く気付いたのか、エミールの爆弾賛辞が鳴り止んでああ、と手を鳴らす。

「先程の質問だが、随分と最初からいたよ。しかしッ!オリエ君は気付かなかったのだッ!」
「マジか……」

がっくりと項垂れるオリエの隣にエミールは腰掛け、仰々しく両手を広げて満面の笑みを見せた。意味もなく歌った歌は、思いの外喜ばれたようだ。





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