Lucky 7 *ロンクーさん不在。 胸の奥でざわめく感情。怖い。寂しい。孤独。負を象徴する感情たち。 どうして私は記憶を失ったのか。 どうして私はあんな草原に行き倒れていたのか。 どうして。どうして。 纏まらない思いがぐるぐると駆け巡る。何を信じて、何を疑えばいいのかも判らない。 (私は、全てを棄てたのに。) 瞬間脳裏に響く声。酷く冷たく、酷く突き刺さる音で。思わず体を抱き、がたがたと震えだしてしまう。今の声は、一体。 いや、知っている。今の声は、自分自身のものだ。けれど、何故。 止まらない、がたがたと、体は泣くように震え続ける。 ロンクーさん、助けて。夫の姿がぼんやりと浮かぶ。左手の誓いは淡く輝いていた。そうだ、ロンクーさんはずっと傍で守ってくれている。姿が無くても、遠くにいても。 (貴女はそうやって、自分だけ手に入れたのに。) 責め立てるような声は次第に遠退いていく。いや、遠退くというよりも押し遣ったという方が正しいかもしれない。陣取り合戦のような精神の戦いは、恐らく私に軍配が上がったのだろう。それならば、その功績の立役者は。 「ロンクーさん……ありがとうございます。」 今はいない夫に感謝を述べた。先程の声が何だったのかは解らない。もしかしたらファウダーが何か仕掛けてきたのかもしれない。 けれどそんなものは、彼の力が在ればなんとも無い。だからそっと、誓いの指輪に口付けを落とした。 |