Lucky 7



竜が咆哮を上げる。ああ、終わったんだ。
砂の城が風に攫われるよう、私の分身とも呼ぶべき存在が消えていく。そして、私も。
ルフレ、誰かが私を呼ぶ声が聞こえた。誰だろう、もう声すら届くことはないのかもしれない。殆ど感覚のない身体を振り返り、その姿を確認しようとした。視界すら、ぼやけている。
靄の掛かった世界で目を凝らし、漸く見つけた。
ふふ、クロムさん……拾ってくれて有難う御座いました。リズさん、泣かないで。フレデリクさんも、そんな顔をしないでください。ああ、サーリャさんったらあの時みたいに慌てふためいて下さっているんですね。ルキナさん、貴女の守るべき未来はこれで大丈夫。
動くか判らない表情筋を必死に動かして、不恰好な微笑を浮かべた。

「……ルフレ、」

ああ、貴方の声だけは聞きたくなかったのに。どうしたって決意が揺らいでしまう。愛しくて、恋しくて、この想いと身体を捧げたただ一人の貴方だけは。
ロンクーさん、ごめんなさい。約束、守れませんでした。あの日誓った約束、覚えていますか。今でも愛してくれますか。
ロンクーさん、貴方の顔を見てしまって、もう身体は言うことを聞かないのに涙が止まらないんです。

「ルフレ、いくな……!」

差し伸べられた手をとることは、出来ませんでした。その瞬間、全ての意識が遠退き、そして私は跡形もなく消え去ってしまったのだから。




Lucky 7