Lucky 7



酷い夢だった。
慌てて飛び起きて、周囲を見渡す。隣に眠る、妻の姿。
ほっとした、あれは夢だったと確認出来たから。身体はじっとりと湿っていて、纏う衣類も汗でべたべただった。
酷い、夢だった。
ルフレが邪竜を滅ぼし、消えてしまう、夢。その顔は泣きながら笑っていて、正にルフレが言いそうな「皆の幸せを願っています」だなどと。
本当に酷い夢だ。隣ですうすうと寝息を立てるルフレの顔は夢と正反対に穏やかで、いつも半分ほど結っている髪も全て垂れ、少しばかり顔に掛かっている。吐息で揺れる髪を天幕に漏れる月明かりを頼りに眺める。そうでもしないと、消えてしまいそうな気がして。

「ん……」

ルフレが身じろぐ。ぎくりと思わず身体が強張るが、起きる気配はなかった。ただむにゃむにゃと寝言のような声が唇を割る。

「ろんく、……さん、傍に……むにゃ……」

不意に聞こえた己の名に、弾かれたような気がしたのは気のせいではないだろう。傍にいてほしいか、傍にいるからか。どちらでも構わない、ただずっと隣で過ごせるだけで。




Lucky 7