Lucky 7



マークは悩んでいた。
父だけ覚えている自分の記憶、母と姉の姿がおぼろげで。ついこの前ほんの僅か思い出した姿も、矢張り霞んでいて。
本当に自分は母さんの娘で、姉さんの妹なのか。怖くなって、子供のように泣きじゃくった。どうして思い出せないのかと、母の前で、顔がぐちゃぐちゃになるまで。
サーリャはいい母親だと、マークは思う。他者が見れば近寄り難くて怖いだなんて口を揃えて言うが、実際のところは娘想いで優しい、慈愛に満ち満ちた人なのに。

「まったく、皆さん母さんのことを誤解しているんですよね!」
「別にどうだっていいのよ……他者に理解されようがされまいが、私にはルフレがいるんですもの。」
「母さん、マークちゃんもいますよ!」
「ええ、そういえばそうね……」
「あとノワール姉さんもいます!皆母さんが大好きですよー!」
「……賑やかになるわね。」

マークは悩む。
こうやって母と話せば話すだけ懐かしい気持ちになるのに、一瞬思い出した微笑み以外を浮かべることが出来ないから。
大好きだったのに、何故なのだろう。
笑顔の裏に翳る深い悩みを紐解くまでには、まだ時間が掛かりそうだ。




Lucky 7