Lucky 7



*絶望の未来(ギムレー化)ルフレと現代ロンクー



非常にくだらない。
敷布に押し倒した男を見下ろし、ルフレはひとつ鼻を鳴らした。
器である女の、夫。つまり自分の夫だ、未来では殺してしまったが。
剣の名手であろうが武器を奪えばなんてことはない、ただの男。それが非常にくだらなく、そして、虚しい。

「随分と反抗的な眼をしているな、ロンクー。」
「……ルフレの口で俺の名を呼ぶな。」
「残念ながら我もルフレ、絶望を支配する竜の器。」

この状況でも冷静な態度を崩さない。
つまらない、つまらない。少しは驚けばいいものを、少しは妻の身を案じたらいいものを。ぎりい、と奥歯が鳴る。敷布に突きつけた腕に力が篭る。

「我を前にしても、冷静なその心。面白くない、壊してしまおうか……?」

右手を、男の首に掛ける。尚も冷静な姿。
何故何も言わない。

「ルフレ、」

男が、言の葉を紡ぐ。その姿が、あの時と重なる。ルフレ、呼ばれた時にはもう。ギムレーとして覚醒したその時に、絆など不要と断ったはずなのに。
その顔が、瞳が、まるで自分を許しているかのようで。

「ッ!」

反射的に手が震える。男の、ロンクーのことをまだ愛していた自分に、気付いてしまった。ルフレは立ち上がり、逃げるように天幕から姿を消した。




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