Lucky 7



剣を捧げた君主、お守りすると誓った姫君。そのどちらもが大切で、これ以上大切に思える存在はないだろうと思っていた。
けれど、その隙間を縫うように現れた女性。気高き女性はタグエルと呼ばれる獣人で。獣が苦手だと言ったあの日から特訓と称した逢瀬を続けてきた。
結論から言ってしまえば彼女のお陰で恐ろしいとすら思えた獣が愛しいとさえ感じられ、そしてまた、彼女自身を愛しいと感じていた。
さて、話はここからだ。
小さな麻袋に仕舞われた銀色の指輪。愛してしまったのだ、ベルベットと言う存在を。命を捧げても愛しぬき、守り抜きたいと心の底から思った。
どう伝えよう、この吐き出さなければ破裂してしまいそうな愛情を。

「ああ、困りましたね……」

どう伝えても伝えきれない。言葉に表すことなど出来ない。それだけ、愛してしまったのだ。限りある命の全て、彼女と共に在りたいと、そう願ってしまったから。
麻袋から指輪を取り出す。伴侶になってほしい、そう伝えて差し出そうと。言葉も指輪も簡素であるが、自分にはこれ以上重い贈り物など用意したことがなかった。
ふっと、笑みが漏れた。

「本当に貴女は――」

不思議なヒトだ。
そしてとても美しく、優しいタグエルだ。




Lucky 7