Lucky 7



結婚してください。差し出された求愛の指輪は難なく彼女の指に納まった。結婚します。仲間に伝えたその言葉は瞬く間に伝播し、四方八方から祝福の言葉を投げかけられた。ヒノカは瞳に涙を溢れさせて「おめでとう、おめでとう」と祝福してくれ、タクミもぶっきらぼうにも姉の朗報を祝ってくれた。

「ねえ、スズカゼさん。」
「はい。」
「私たち、夫婦ですから……様付け、やめましょ?」

祝いの宴が終わった頃。まだ盛り上がる皆を他所に、主役として担ぎ上げられたふたりは池の畔で身を寄せ合って話していた。スズカゼは主人であり妻となったカムイの言葉に目を丸くする。

「それはご命令でしょうか?」
「いいえ、そうではないですよ。」

小さく笑う彼女の顔は少しだけ楽しそうで、酔っていますか、そう問い掛けるとまたもいいえと返ってきた。一陣の風が吹き、水を跳ね上げたそれが肌を撫ぜる。月がおぼろに見えるこの時間には少しだけ肌寒くて。そっと触れるだけの手が、優しい体温を分け与えた。

「私、スズカゼさんのお嫁さんになれて幸せなんです。」
「っ!」

その言葉が身体の全身を駆け巡り、気付いた時にはカムイの身体を強く抱きしめていた。

「……カムイ様のそのお言葉に、私はどれだけ救われたでしょう……!」
「スズカゼさん……」

彼の髪が肌を擽り、少しばかりこそばゆい。
でも、そんなことはどうでもよかった。宴の喧騒が何処か遠くのものに聞こえて、カムイはそっと瞼をおろした。




Lucky 7