Lucky 7



手裏剣の音が空気を裂き、的にあたる。ひとつ、またひとつ。先からずっと鍛練に励む夫を見てカムイは息を呑み、すべての手裏剣を投げ終わったことに気付き、思わず拍手を送った。

「凄いですスズカゼさん!全部命中してます!」
「日々鍛練を行えば、カムイさんも出来ますよ。」

滴る汗を左手で拭いながらスズカゼは優しく微笑む。
暗夜王国の王女として過ごした日々は剣に明け暮れていた。飛び道具なんて持ったことはない。手裏剣を丁寧に的から抜き、回収する彼の後ろ姿を眺め、ぽつりと呟く。

「私でも、出来るでしょうか……」

素質があるとは限らない。寧ろ、飛び道具全般は扱えないかもしれない。そんな風に思案していると、スズカゼは此方を振り向いて一枚の手裏剣をカムイに手渡した。その表情は先と変わらず、穏やかな微笑みに彩られている。

「私でよければ、僭越ながら教授させていただきますよ。」
「いいのですか?」
「ええ、勿論。他でもない主であり、妻である貴女の頼みなら喜んで。」

この人は、なんて優しい言葉を使うのだろう。カムイは釣られて微笑み、小さな声で「お願いします」と囁くのだった。




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