冷蔵庫から手当たり次第に出したスイーツを食べていると戦闘が終わったばかりのメンバーがぞろぞろと食堂にやってきた。
「うわっ。なんだその量」
「太るわよ」
「食べるなら肉の方が身体にいい」
フォックスが驚きの声をあげるとそれに続いてピーチとアイクに言われてしまった。
後ろの方にルフレ君とロイがいて、その二人も食卓にズラッと並べられたスイーツを見て引いたような様子だった。
「なまえさん、意外と食べるんだな」
「僕も初めて見てビックリした」
ルフレ君とロイは顔を見合わせて苦笑した。
「だって食べないとやってられないんだもの!」
「何かあったのかしら?」
ピーチが察したように少し含みのある語調で聞いてきた。アイクとロイは昼食用に作られた食事を用意し始めていた。
「別に何も……ただイライラしちゃって!」
「ふぅん。差し詰めマルス関係と言った所かしら」
「なんとなく気持ちは察するよ。相手が相手だからな」
相変わらずフォックスはよき理解者で同情してくれた。相談相手としては恋愛関係には疎くて向かないけど。
「なまえさんって、マルスさんとそういう関係?」
「違うよ!全然仲良くないし、一緒にいるところ見ないでしょ?」
「僕は来たばかりであまりわからないけど、夕飯は隣の席でシフトも殆ど一緒だなぁって思ってた」
「……よく見てるね」
そういえばルフレ君は軍師だったっけ。観察眼とか言うのがあるのかな。マルスに憧れているみたいだったし、よく見るのは当然のことかも。
*
食事が終わりパタパタと次の戦闘に準備しに行くメンバーを見送って、食後の紅茶を飲んでいるとシフトの入っていないルフレ君が同じく紅茶を持って隣の席に座った。入ってきたばかりなのにルフレ君はなかなか積極的で凄いと思った。
「戦闘どうだった?」
「皆強すぎて最下位だったよ」
「でもルフレ君ならすぐに慣れるから今は最下位でも大丈夫よ」
「ここの皆もだけど、なまえさんは優しいね」
「ありがとう。普段褒められないから嬉しいかも」
「……やっぱり普通の人で安心した」
「え? どういうこと?」
「ピーチ姫になまえさんは罵られたり殴られたりするのが好きと聞いてたから」
「ピーチったら……! それ嘘だから信じちゃ駄目!」
相手がマルス限定だったりするけど、人にそんなこと言うのは恥ずかしい。
「マルスさんのこと好きなの?」
「え!」
心を読まれたみたいで驚いた。何でバレてるんだろう。
「好きといえば好きかもしれないし、そういうわけじゃないかもしれない」
「あはは。嘘もつけないんだね」
「ルフレ君、意地悪」
ルフレ君は真面目そうに見えたけど、人当たりがすごくよくて、ちょっぴり意地悪みたいだ。
この後何故か急にルフレ君がメンバーのモノマネをし始めてびっくりしたけど、これが中々のクオリティーで面白かった。色んな人のことをよく見てるみたいで流石軍師だなぁと思った。
おかげでマルスに無視されたイライラが少し収まったけれど、頭のどこかではずっとマルスのことばかり考えていた。