kiichi


 
サバイバル麻雀の参加資格審査、ハコラス1回、ラス3回で計6回ロシアンルーレットで引き金を引いた。まだ1回も玉はでていない。確率的には6回連続ででなくてもおかしくはない。そして今、再びハコラスになった。8回連続回避、なんてありえるのだろうか。しかし、喜一から銃を受け取る時、彼のあの目を見ると玉が出る気がしない。何故か不思議と安心する。
私は死ぬ前に喜一に伝えたいことがある。いつ死ぬかがわからないので、最初に引き金を引いた時は、言いたいことがあると言いかけて、結局言えずにここまで来た。彼の目を見る度に死ぬ気がしなかったからだ。
私は深呼吸をし、いつものように喜一を見つめて、引き金を引いた。万が一死ぬなら、今際の際の景色は喜一がいい。玉は出ずにカチッと音が鳴った。そしてもう一度深呼吸をした時、高津さんに銃を捕まれ、銃口をそらされた。

「おい、待て。ちょっと貸せ」

「何故ですか?」

「いいからシリンダーを回させろ」

高津さんに銃を奪われ、シリンダーを豪快に回された。シリンダーが自然に止まった時、高津さんは私に銃を押しつけるように返してきた。意味がわからない。何でこんなこと。喜一を見ると、喜一に目を逸らされた。そして高津さんは喜一を一瞥すると私を見ながらにやにやしていた。一体どういうことなのか。
私は再び銃をこめかみに当て、決して私を見てくれようとしない喜一を見つめた。その時、何故か自分が死ぬ気がした。そして、高津さんが自分でシリンダーを回した訳、喜一が私を見てくれなくなった理由がわかった気がした。
この銃をこのまま高津さんに向ければ、高津さんが死ぬ。そもそもそれが目的で参加した。自分の手を汚さず、喜一に人殺しをさせる高津さんが許せないからだ。だけど、それで一人失敗して喜一に殺された子がいた。私も高津さんにやったら喜一は私を殺すのだろうか。わからない。

「喜一」

私が喜一、というと一斉に皆が喜一を見、そして喜一は私を見てくれた。

「最後だから、ずっと喜一に言えなかったこと言うね」

「……」

「私、喜一のことがずっと好きだったよ。あなたが7年いなかった間も、ずっとずっと好きだった。あなたと付き合ってみたかったな。でももうそれも無理だね。バイバイ、喜一」

重い引き金を引いた。
最期に見えた喜一の顔には、生まれて初めて見るような──、
 
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