13
「え?」
耳を疑って聞き返すと、私の寝間着を着た目の前の男性は無表情のまま、少し面倒くさそうにして再び口を開いた。
「だから俺13」
彼は二度同じ数字を言うのだけれど、どうにも信じられなかった。
「え?」
「次言ったら犯すよ?」
また、え、と言いそうになって慌てて口をつぐんだ。
「嘘、よね?だって、あなた平日に雀荘いたし、どうみても大学生くらいにしか……」
「学生証みる?」
「いや、そこまではしなくていいけど」
「じゃあそういうことだから。しばらくでていかないよ」
そう言って私を押しのけてベッドに戻ろうとするのでしげる君の腕を掴んで止めた。早くこの子を帰さないとまずい。
「あなたに住みつかれると困るのよ!」
「なんで?」
「なんで、て……」
「どうせ、男だろ」
「え?」
「あんたタバコ吸わないのにこの部屋やにくさい」
「まあ、そうだけど……って、わかってるならでていって」
「そいつとは遊びだろ?そいつ切って、俺と遊んでよ」
今度は逆に腕を掴まれて抱き寄せられた。頬にキスされ、思ってたよりかなり歳下なことがわかってもとても色気のある雰囲気にドキドキしてしまった。
「でも……」
「あんた立場わかってる?未成年の俺とあんなことして捕まらないと思ってる?」
「ぐっ。お、脅し?」
「本気の脅しだよ」
しばらく睨みあった。見れば見る程しげる君が13歳とは思えなかった。老けてる、という表現は当てはまらず、なんというか全体的にすごく大人びている。表情が13歳のそれとはとても見えないし、昨日の打ち回しの姿なんか怖くてぞっとした。裏麻雀をやっている人の雰囲気に近いものを感じた。
少し考えた。この子を追い出す方法。13歳なら保護者はいるはず。やっぱり学生証見せてもらって学校に連絡……いや、そんなことしたら警察に駆け込まれちゃう。私には無理だ。この子を出し抜く方法を考えつくなんて。仕方ない。
「わかったわ。ペット飼う感覚でしばらく置いてあげる」
「そんなこといってられるのも今のうちさ」
再び抱きしめられたかと思うと、ひょいと持ち上げられてベッドまで運ばれ組み伏せられた。
抵抗むなしく、顔付近にいっぱいキスを落とされ体を愛撫された。
「やめて!子供とはできない!」
「駄目だよ」
「なんで?」
「さっき言ったじゃん。次言ったら犯すって」
「え?」
「あんたそれわざと?」
「あ、あー!そういうことね!わざとじゃないわ!」
「クククッ……しばらくは楽しめそうだ」
意地悪く笑みを浮かべるしげる君になすすべなく、昨夜のような展開になってしまった。これは躾の悪い子を拾ってしまったみたいだ。簡単に捨てることなんてできそうになく、拾ってしまった以上どうやら責任を取るしかないみたいだった。