thomas
※トーマスは箱田漫画での性格
聖都パレスがグルニア軍に占領され、我がアカネイア騎士団に加えてボア様が捕まってしまいました。あ、ちなみにホルスは遠征中です。
捕まってすぐに私達は武器を取り上げられ狭い牢屋に放り込まれた。
「大人しくしてろよ!」なんてグルニア兵に言われたけれど、誰が大人しくするもんですか!
「出せ出せ出せーっ!」
「うるさい」
私が鉄格子を揺らしながら喚くと後ろからトーマスに蹴られた。
仕方なく鉄格子を掴んだまま外のグルニア兵を睨んでいるとミディア様に咳払いされた上にグルニア兵に白い目で見られたから仕方なく後ろに下がった。
後ろに下がるといっても牢屋は非常に狭くて座りにくく、トーマスをどかさないと私の座るスペースはなかった。
仕方なくトーマスを足で押して無理やりスペースを作ろうとしてみた。
「なんで押すんだよ!?」
「だってトーマスが邪魔なんだもの」
「邪魔なのはこいつら二人だろうが!」
トーマスがトムスとミシェランを指差し、差された方の二人は「あん?」と、今にもくってかかってきそうな表情を浮かべる。
別にそんなのはどうでもよくてただ私はトーマスの隣に座りたかっただけだ。実はつい先日あたりからトーマスに惚れている。理由はわかんない。ただ一緒にいるとときめくことに気づいただけ。
それなのに空気の読めない奴が一人いた。
「わしがどこう」
ボア様が立ち上がって私に場所を譲ってくれた。
司祭様の親切のつもりだろうけど私にとったら逆に不親切だ。いや、むしろ拷問。だってボア様が座ってたのは一番端のミシェランの隣なんだもの。
くそじじい、と内心叫んでいたけどここは遠慮がちに対応することにした。
「駄目ですよ!司祭様が一人だけ立つなんて……!」
「そうですよ。立つべきなのはこいつです」
「むっ。なんであんたが言うの?」
「だってボア様が立ってお前が座るなんて可笑しいだろう?」
「だったらあんたが立ちなさいよ!」
「嫌だ」
「じゃあ、あんたの上に座らせなさい!」
「は……?」
ずびしとトーマスに指を突きだして告白紛いなことを言ってみた。するとトーマスは理解できないらしく数秒間固まっていたけど、顔が徐々に真っ赤になった。思わぬ反応に私が逆に固まってしまった。
「ば、馬鹿かお前!?誰がお前なんか……っ!」
「……だ、だって他に乗れる人いないもの!ボア様は年寄りだし、ミディアはか弱い乙女だしトムスとミシェランは論外だし!」
「……お前酷いな」
「せ、正論じゃない?」
トーマスは黙ったまま顔を背け足を軽くのばして私が座りやすいようにしてくれた。
私は高鳴る胸を抑えて、わざとトーマスと向き合う形でトーマスの上に座ろうと、トーマスの足を跨いだ瞬間、後ろで鍵が開く音がした。
「マルス王子率いるアリティア軍だが、皆無事…何やってんだ?」
振り向けば明るい髪色のお兄さんが鍵を片手で弄びながら開いた扉に寄りかかっていた。
またしても邪魔が入った。皆タイミング狙ってるの…?
「開いたってよ。早くどけよ。つーか、こっち向いて座ろうとするなし。頭イカれてんのか?」
トーマスが私を睨んでいうけど、頬やら耳やらがまだほんのりと赤く余計にどきたくなくなって、トーマスの足の上に腰を下ろした。私の行動に呆気に取られて固まるトーマスの顔を見つめながら、パレスが奪還されるまでここに居座ることを固く決めた。