joker
※マイユニ=夢主
昨日から憂鬱だった。朝の支度の為に主人の部屋を訪ねることを考えるだけで動悸がしていた。
かれこれ半刻程主人の部屋の前に、ティーワゴンと洗濯籠を置き、扉に手を掛けているがなかなか扉を開けられないでいた。気を利かせてフェリシアが来ないかと期待していたがメイドと執事を連れて来られなかった他の王族の方々が参入されてからはそちらを優先して世話をしていた。その為か一人で着替えさえお出来になられなかった主人は今やメイドいらずでどんな服でも一人で着られるようになった。相変わらず一人で髪は結えないようだったが。
数刻待って主人が起きないかと期待したが、昨日は挙式と大宴会でくたくたのはず。元より俺がいないと起きられない主人だから尚更だ。
諦めて深呼吸をして、思いっきり扉を開いた。
開音が大きく鳴ったがベッドの住人は身じろぎもしなかった。
フェリシアが初夜の為に飾り付けた造花の薔薇は部屋の入口付近にまで散らかっており、それを気にせずティーワゴンを押して部屋の端に寄せた。メイドに用意させておいた服を持ち主人を起こそうとベッドに近づくと絶句した。
主人はいつものように仰向けで寝ていたが着衣しておらず片胸は掛け布団からはみ出ていたが、それを覆うように穢らわしい……もとい無駄に大きな手が置かれていた。
あまりにの衝撃の出来事に一瞬卒倒しそうになり、次の瞬間には頭に血が上りぶちっと血管が切れたような音が鳴った。相手をベッドから引きずり下ろしぶん殴りたくなったが、流石にそれは我慢して、一刻も早く二人を離せるように主人に声をかけた。
「起きてください。朝ですよ」
「ん……んん」
主人は相手側の方に身を傾け横寝になった。そこであの汚い手はずり落ちたわけだが、今度は主人のそれは素晴らしく綺麗な背中が露わになったのと同時に、造花の薔薇がいくつか下敷きになっていたようで潰れてでてきた。
よく見ると背中にその痕が残っており、それがより一層、綺麗な曲線ときめ細やかな肌を持つ主人の背中に触れたい衝動にかられたが、グッとこらえて再び声を掛けた。すると主人は目覚めたようでこちらを一度向き、何かを理解したように直ぐに頭まで布団に潜った。相手も目覚めたようで半身を起こし俺を見るとバツの悪そうな顔をして、頭を片手で抱えた。
「ああ!ジョーカー!だめだめだめ!今すぐでていって!」
「お召し物は昨日メイドに用意させたものがあります。それに着替えましたら呼んでください」
「わかったわ!だから早くでていってー!」
「では失礼致します」
すっかり冷めてしまったポットだけ持って沸かし直しに食堂に戻った。食堂には誰もおらず、はけ口になる相手もいなかった。
特別に地方から取り寄せた茶葉で作ったモーニングティーの入ったシルバーポットを怒りに任せて思いっきり水場に投げつけた。すると蓋が取れ中身が半分以上溢れでただけで、ポットは壊れなかった。しかしそのポットは俺が主人に初めて給仕した時からずっと使っているものだった。我に帰り慌てて手袋のまま、水場から取り出し、表面を回しながら見ていくと少し新しい傷が付いていた。主人が見ても気づかないであろう程度の傷で安心したが、何故か暫くその新しい傷が頭に憑いて離れなかった。
昨日から憂鬱だった。朝の支度の為に主人の部屋を訪ねることを考えるだけで動悸がしていた。
かれこれ半刻程主人の部屋の前に、ティーワゴンと洗濯籠を置き、扉に手を掛けているがなかなか扉を開けられないでいた。気を利かせてフェリシアが来ないかと期待していたがメイドと執事を連れて来られなかった他の王族の方々が参入されてからはそちらを優先して世話をしていた。その為か一人で着替えさえお出来になられなかった主人は今やメイドいらずでどんな服でも一人で着られるようになった。相変わらず一人で髪は結えないようだったが。
数刻待って主人が起きないかと期待したが、昨日は挙式と大宴会でくたくたのはず。元より俺がいないと起きられない主人だから尚更だ。
諦めて深呼吸をして、思いっきり扉を開いた。
開音が大きく鳴ったがベッドの住人は身じろぎもしなかった。
フェリシアが初夜の為に飾り付けた造花の薔薇は部屋の入口付近にまで散らかっており、それを気にせずティーワゴンを押して部屋の端に寄せた。メイドに用意させておいた服を持ち主人を起こそうとベッドに近づくと絶句した。
主人はいつものように仰向けで寝ていたが着衣しておらず片胸は掛け布団からはみ出ていたが、それを覆うように穢らわしい……もとい無駄に大きな手が置かれていた。
あまりにの衝撃の出来事に一瞬卒倒しそうになり、次の瞬間には頭に血が上りぶちっと血管が切れたような音が鳴った。相手をベッドから引きずり下ろしぶん殴りたくなったが、流石にそれは我慢して、一刻も早く二人を離せるように主人に声をかけた。
「起きてください。朝ですよ」
「ん……んん」
主人は相手側の方に身を傾け横寝になった。そこであの汚い手はずり落ちたわけだが、今度は主人のそれは素晴らしく綺麗な背中が露わになったのと同時に、造花の薔薇がいくつか下敷きになっていたようで潰れてでてきた。
よく見ると背中にその痕が残っており、それがより一層、綺麗な曲線ときめ細やかな肌を持つ主人の背中に触れたい衝動にかられたが、グッとこらえて再び声を掛けた。すると主人は目覚めたようでこちらを一度向き、何かを理解したように直ぐに頭まで布団に潜った。相手も目覚めたようで半身を起こし俺を見るとバツの悪そうな顔をして、頭を片手で抱えた。
「ああ!ジョーカー!だめだめだめ!今すぐでていって!」
「お召し物は昨日メイドに用意させたものがあります。それに着替えましたら呼んでください」
「わかったわ!だから早くでていってー!」
「では失礼致します」
すっかり冷めてしまったポットだけ持って沸かし直しに食堂に戻った。食堂には誰もおらず、はけ口になる相手もいなかった。
特別に地方から取り寄せた茶葉で作ったモーニングティーの入ったシルバーポットを怒りに任せて思いっきり水場に投げつけた。すると蓋が取れ中身が半分以上溢れでただけで、ポットは壊れなかった。しかしそのポットは俺が主人に初めて給仕した時からずっと使っているものだった。我に帰り慌てて手袋のまま、水場から取り出し、表面を回しながら見ていくと少し新しい傷が付いていた。主人が見ても気づかないであろう程度の傷で安心したが、何故か暫くその新しい傷が頭に憑いて離れなかった。