秋の嵐。
ゴーゴーと風は唸り、ゴーンと雷が鳴った。稲妻がピカ!と空を照らす。忙しい嵐の様に、震えるひとりの女がカオである。

「ああやはり、苦手です」

「稲妻は秋が来たという知らせなんだ。去るのを待とう」

キラーはびったりと引っ付くカオの背中をポンポンと叩く。カオは雷が苦手だと知ってからというもの、キラーはこれ幸いと雷の日には普段よりもカオに近寄っていた。

ギュッと腕をまわされた腰に柔らかなカオの身体が押し当てられる。雷が音を立てればガッシリとさらに捕まって来た。

「キラーさんを独占しすぎでしょうか、皆さんに迷惑をかけています」