| 石化前/スタンリー夢/1話 これはスタンの都合の良い女になる話です。スタンがかなり女癖悪いのでご注意下さい。この時はまだスタンの軍について勉強不足だった為、かなりご都合主義の暇人設定です。また、夢主以外の女性との性行為シーンもあるのでご注意ください。 初めて見たときに軽く一目惚れ。 スタンリー・スナイダーという青年は、一瞬女の子かと見間違うほど綺麗な顔をしていた。体つきはスラリとしながらも腕の筋肉を見れば歴然なくらい男らしいからだ、学年で毎回上位の成績に位置する頭脳、ハリウッド男優かと見間違うほどのMr.Perfect。でも地味な私とは住む世界がまったく違う人で、初見で一瞬恋に落ちたけれどそんなのはすぐに諦めがつく。芸能人への憧れと同じで、彼は遠い存在の人だった。 「あぶねっ!」 ハイスクールに通っていた時のこと。学校の敷地内にある校舎と運動場を繋ぐ歩道橋の上を歩いていると、突然突風が吹き荒れる。その時に持っていたプリントが手元から一枚飛んでいきそうになり、私は思わずプリント目掛けて手を伸ばした。なんとかプリントを掴めはしたのだけどその時に体勢を崩してしまい、思い切り橋の外へと体が傾いていくのが分かった。けれど誰かのそんな声が聞こえて、私の体はギリギリのところで止まった。腰に回る腕に一度視線を向けてからぱっと後ろを振り向けば、ぼんやりと人の姿が見える。ぼんやり…?この時点で私は、今の傾きでかけていた眼鏡を落としてしまったのだと気づいた。 「あんた無茶すんね、ちゃんと周り見なよ」 「あ、ありがとう…」 どうやら私を助けてくれたのは男性みたいで、腰に回った手がとても逞しかった。けれど肝心の顔がぼやけて上手く見えない。見ようと目を凝らすとブサイクな顔になってしまうので、そんな顔を見られたくなくてすぐに顔を反らした。それよりも眼鏡を探さなくては。私は足元に視線を向けて目をぎゅっと細めてみる。 「落としモン?」 「え、えっと…眼鏡が…」 「眼鏡?この辺には落ちてねぇぜ?」 「えっ?じゃあ、」 「あー…ちょっと待ちな」 「?」 助けてくれた男性はすぐに立ち去らず、そう言って橋の手すりの方へと身を寄せた。何度目を凝らしても足元には眼鏡らしきものは落ちておらず、彼もそう言っているので無いのは確実だろう。だとしたら次に考えられる場所は――、 「あーあ、落ちてんね」 「え!?」 「でもラッキーだぜ、丁度真ん中の植木んとこに乗っかってる、壊れてもなさそーだな」 「え、見えるの?」 「視力は良い方だかんね、まあ多分だけど」 彼の表情は分からないけど、にこりと微笑んでいるような声色で言った。けれど歩道橋の下は四車線の道路で、先ほどからびゅんびゅんと車が左右にすれ違っている。ここから降りて真ん中に行くにはまあまあの距離のある横断歩道へ行って、そこから線引きのようにある植木の道を入っていかなければいけない。そもそも人の通るような場所でない為、行くのはかなり躊躇われた。しかもつい最近眼鏡を1つ壊してしまったところで、もう残るのはスペアのこれしかない。はぁーーー、と私は心の中で盛大なため息を吐いた。 「ちょ、待ちなって!あんた今目あんま見えてねぇんだろ?んな状態で行くのは危ないって」 「で、でも取りに行かないと…」 「だからっ……あ〜〜〜、しゃーない、ちょっとここで待ってな!」 「え?」 瞬間、私の目の前から彼が消えた。――否、飛んだ。 「えぇ!?」 ぼんやりしているからと言って何も見えないわけではない。今まさに橋から彼が飛び降りたのが見えた。思わず彼の落ちた方へと手すりに手をかけて下を覗き込むと、彼は綺麗に植木と植木の間の小さな隙間に着地していた。え、ここから下まで25フィートはあるよね?Really!? 「ああ、やっぱ眼鏡無事じゃんよ!良かったな!」 いや、それよりもアナタの方が大丈夫?!そう言いたいのに動揺で上手く言葉が発せなかった。ぼやけていた彼の顔がさらにぼやけている。でもなんだか物凄くドキドキしていて、自分の顔が熱くなっていくのが分かった。 彼はそのあと車がいないタイミングで道路を横断して、あっという間にこの歩道橋まで戻ってくる。そしてハイ、と目の前に私の眼鏡を差し出した。 「本当にありがとう、何かお礼を―――…え、」 「別にいいよ、ただあんた何か危なっかしいから気をつけなよ」 私は目を疑った。彼から受け取った眼鏡をかけて見てみれば、まさかのずっと目の前にいたのは”あの”スタンリーだったのだ。瞬きをするも彼の顔は変わらない。本物?いや、どう見ても本物だ。どうしよう頭が真っ白だ。 「てか、眼鏡外した方がキュートだぜあんた、んじゃGoodbye」 しゅぼぼぼん!顔が真っ赤に熱くなっていくのが見なくても分かった。スマートにそう言って彼は去っていき、私はただ呆然と立ち尽くして彼の後姿を見る。 「え、えぇ…っ!?」 そしてやっと真っ白だった脳内が正気を取り戻していき、先ほどまでの一連が全てリアルであったことなのかと頬をつねった。痛い。じゃあやっぱり彼はスタンリー・スナイダーで、私のことを助けてくれて、この橋から飛び降りてまで眼鏡を取ってくれて、そしてそして――、 「だめ、好きになっちゃう…!」 こんなの不可抗力よ。ひどい。たすけて。そんな私の心の嘆きは、今も鳴りやまない心臓の音で掻き消されてしまった。 あれから数年。 私がスタンリーと会話をしたのはあの時が最後となってしまい、それ以降はただ彼を陰ながら見つめるばかり。彼はいつも誰かに囲まれていて、そしてその囲んでいる人たちもきらきらと眩しかった。進学した私は特にやりたいことも決まらずただ単位を落とさないように学生として真っ当に過ごすだけで、なんとも味気ない日々を送っている。意を決して始めたカフェのバイトはそれなりに上手くやっている。はじめはミスばかりで泣きそうだったけど、今はなんとか慣れてきていい感じだ。 今日もそのバイトの日で、丁度お昼休憩から帰って来た時だった。店内に見慣れた顔の女子が数名いるのに気づく。あのキラキラした子たちは確か、ハイスクールの時にスタンリーとよく一緒に居たガールズグループだ。 「ねえ聞いてよビッグニュース!」 「えーなになに?」 「勿体ぶらないで早く教えてよぉ〜」 レジにいる私から近い距離でお茶している彼女たちの会話が自然と耳に入ってくる。時たまやってくるお客さんの相手をしながら、私はその会話に少しだけ耳を傾けていた。 「この前”R&B”に行ったら、なんとスタンが居たのよ!」 「えぇ〜!うそ、本当!?」 その名を聞いた瞬間、お会計をしていた手が一瞬止まってしまった。けれどすぐにお客さんに急かされて手を動かすのだけど、私の頭の中は彼女たちの会話でいっぱいだった。 なんでも、若者が多く通う”R&B”というバーにスタンリーが週末よく顔を出すようになったらしい。どうやら彼は卒業後に軍に入隊したとかで、最初の数年はなかなか外に出られなかったがここ最近安定した休暇を得られるようになったのだとか。なのでその休暇中によくバーに赴き、かなり遊んでいるらしい。彼が遊び人だということはよく知っていたから驚かないけど、まさか軍人さんになっていただなんて知らなかった。所詮私は見るだけしかできない地味な女で、彼とはやっぱり住む世界が違う。 「あーん、スタンとだったら全然遊びでいい〜!」 「わかるぅ〜!むしろあんなハンサムは一人が独占したら勿体ないわよね〜」 「ほんとほんと、皆で分け合わなきゃよねぇ〜」 イケてる女の子こわい。すごい。でもそういう発想もあるのかと逆に関心してしまった。そして彼女たちの言葉は今日ずっと私の心に残り続けている。確かに、スタンリーほどのパーフェクトな人は一人が独占したら悲しむ女性が沢山いるだろう。彼には沢山のガールフレンドがいるのだと落ち込んだこともあったけれど、よくよく考えてみればラッキーなのかもしれない。私はスタンリーがとても優しい人だって知っている。遊び人だろうとなんだろうと、あの時助けてくれたことに変わりはないのだ。そんなスタンリーと恋人になれたのならどんなに幸せなことだろう。せめて一度だけでもいい。一瞬だけでもいい。複数いる子の最下位でもいい。 あなたの視界に入れるなら――。 髪を少しだけ明るい色に染めた。ずっと怖くて空けていなかったピアスを耳に空けた。メイクもインターネットや雑誌を見て必死に勉強した。普段なら絶対選ばない色の服を買って、きらきらしてたあの子たちみたいなファッションにした。そして、遂に眼鏡を外してコンタクトデビューを果たした。これも全部、あなたに少しでも近づきたいがため。 若者が集まるというバー”R&B”へと遂に訪れることができた。なるべく一人ではなく誰かと一緒に行けたら良かったのだけど、生憎私にはそんなイケイケなお友達はいない。行き帰りも女の子一人では危ないので大半の子が誰か友達の車で来たりするのだけど、私はなけなしのお小遣いでタクシーを使用。ここまでするかと言われそうだけど、私はそれだけ彼に恋をしていた。 「Hey!あれ、見ない子だね?ひとり?」 「え、ええ…普段は違うところで飲んでるから…」 「へぇ、一人で来るなんてよほど好きなんだね、いいね」 「ありがとう」 ネットでいっぱい情報は見たから立ち回りとかはなんとかそれっぽく出来ていると思う。入って早々話しかけてくれた男性は同い年か少し上くらいのダークブロンドヘアで、くせ毛が特徴的だ。あまりキョロキョロしていたら初心者ってバレてしまうのでなるべく普通に、フツーに、辺りを見回してみる。けれど見た感じ想い人の姿は見当たらなかった。今日は来てないのかな。まあ、絶対ってわけではないものね。頃合いを見て帰ろう。そう思って手元のアルコールを喉に軽く通した時、入口の方で黄色い声が上がる。 「おっ、スタンリー様のご登場だ」 「!!」 ハッと顔を上げてそちらを見れば、数人の男女のグループの中にひと際神々しく輝く青年が見えた。スタンリーだ。ライトブルーのジーンズにカーキのミリタリーブーツとジャケットはMA-1、インナーは黒のシャツを着ていてシンプルなのにモデルのように着こなしている。しかもハイスクールで見たあの時よりも少し身長も伸びて、服の上からでも分かるほど逞しいボディになっていた。久しく見る彼に思わずくらりと眩暈がしそう。ああ、なんてかっこいいの。 「彼、よく来るの?」 「あれ、もしかして君もスタンリー狙い?でもやめといた方がいいぜ、あいつ顔は良いけど女癖マジでエグイらしいから」 「へぇ…」 知ってる。知ってるよ。むしろだから来たの。バーに入った瞬間アイドルのように彼の周りを人が囲み、あっという間に彼の全貌が見えなくなってしまった。幸い女性が多いから顔は頭一つ抜けて見えるけど、こんなの近づける雰囲気ではない。そしていざ彼を視界に入れた時、私の体は動かなくなってしまった。どうしよう、やっぱり私には無理…。 最初に話しかけてきた彼…名前は全然覚えてない、その彼とずっと会話をしながら私はスタンリーを何度も盗み見ては心の中でため息を吐く。今スタンリーが腰を抱いている女の子、とてもイケてて綺麗な子だな。スタンリーはクールな子が好みなのかな。でもその隣の子はナイスバディだな、何カップだろう、やっぱりスタンリーもそういう体系の子が好きなのかな。見れば見るほど自信を無くしてしまい、私はそろそろ帰ろうかと目線を完全に下に向けていた。 「邪魔すんよ」 その時、騒がしく喋る人々の声よりも鮮明にこちらへ話しかける声が聴こえた。足元に向けていた視線にチラリと、カーキのミリタリーブーツが映る。あまりにも聞き覚えのある声に、私はハッと顔を上げた。 「ここに灰皿あっからさ、吸っていいよな?」 「…………」 「おい、聞いてんの?」 「へっ!あ、うんっ、ええ、どうぞ…っ!」 私の目の前にはスタンリーが立っていて、口元には火のついてないタバコが咥えられていた。あまりに突然でなにも準備ができていなかった私はただしどろもどろになってしまい、これじゃあ完全に不審者だ。それでもスタンリーは気にせずに隣に腰かけ、私の横にあった灰皿を引き寄せた。 「あんた、俺のことずっと見てたろ」 「えっ!?」 「あまりにアツイ視線送ってくっからさ」 「そ、そんなっ…え、あ、ごめんなさい…」 「ふはっ、あんたかなりのシャイガールだね」 まさかの私の視線に気づいていたみたいで、図星突かれた私は顔がみるみる赤くなっていった。どうしよう、私いまスタンリーと会話してる。あの時みたいに、また…。 ジッポライターからシュボッと音が鳴り、彼の咥えているタバコの先に火が点く。タバコ吸うんだ…。あまり匂いとか好きじゃないから苦手だったけど、彼が吸うなら好きになれそう。 「あんたも吸う?」 「え、吸いたいっ!」 「はは、即答じゃんね」 「あ、えとっ…」 「いいぜ、ほら口開けな」 「へ?」 「あーん」 「あ、あー…ふぐっ!?」 彼が好きで吸っているものなのだったら一度は吸ってみたいと思ってつい即答してしまった。全然今もまだ心臓のバクバクが鳴りやまないけど、とにかくそれが悟られないように必死で会話を続ける。そして彼の言われた通りに口を「A」と開けると、スポッと何かが口に入ってきた。――って、これ! 「あんた吸ったことねぇだろ、あと半分の俺のやつやるよ」 「!?」 まさかの先ほどまで彼が咥えていたタバコで、いつの間にか半分にまで減っていたソレはふらふらと先端から白い煙を漂わせている。それよりも突然の彼との間接キスに、私は頭が追いつかずどうしていいのかも分からなくてただタバコを咥えていた。 「軽く吸って、一回口ン中に煙を溜め込むんよ」 「っ……」 「あ、一気に吸い込むなよ、むせちまうぜ」 「ふっ……っ!?けほっ、けほっ…!」 「あーあー、ほら言わんこっちゃねぇ」 言われた通りに口に含んでいる部分から息を吸い込むと、思ったよりも喉の奥に入ってきてしまい私は盛大にむせてしまった。スタンリーの左手が私の背中をさすり、「大丈夫か?」と顔を覗き込んでくる。こんな状態でその綺麗な顔を近づけないで、余計息ができなくなる…!そんな声は聞こえるはずもなく、私は頑張って息を整えた。落ち着いてから彼はまた吸い方を教えてくれて、なんとか私はタバコを吸うことに初めて成功する。んー…、やっぱりあまり美味しくない。 「どぉ?」 「お、おいしい…デス…」 「ハハッ、無理すんなって!初めてじゃ美味いわけねぇよ、俺だって最初は不味かったさ」 「え、そうなの?」 「大体のヤツがそー言うぜ、だからあんたもフツー」 「そ、そうなんだ…」 なんだよかった。せっかくスタンリーが私にくれた初めてのプレゼント…って言っていいか分からないけど、なのだから嘘でも喜ばなきゃと思っていた。とりあえず残さないようにと、私は彼からのタバコを必死に手順通りもう一度吸って味わう。 「つーかさ、あんた俺とどっかで会ったことある?」 「えっ?…な、ない……わよ」 「フーーン、……まあ俺の勘違いか、Sorry.」 「…Don’t worry. It’s OK.」 一瞬びっくりしたけど、彼が私を覚えているわけない。それに今の見た目はあの時の私とは全然違う。きっとこっちの私に似た誰かに会ったことがあるのだろう。私みたいな女はどこにでもいるだろうから。それよりもせっかくスタンリーと話すことが出来たのだから、もっと行動をしなくては。えっと、えっと、とりあえず連絡先… 「あのっ」 「ちょっとスタン!いつまでその子と喋ってるのぉ?」 「ん?ああ悪いね、つい盛り上がっちまってよ」 「ふーん……、ねぇそれより〜今日は私と抜け出さない?」 「あー、どうすっかね」 さっきスタンリーと一緒に居たナイスバディなキラキラした女性が甲高い声を出して目の前に現れた。そしてそのまましなやかな体を動かしてスタンリーの腕にぎゅっと抱き着く。彼女の豊満な胸が彼の逞しい腕を見事に挟み込んでいて、私はただただ焦った。どどどどどどうしよう!?こんなの勝てっこないよ!でもこのまま見過ごしたら私はまた陰ながら見てるだけの位置に戻ってしまう。それだけは嫌だった。 「ね、ねえっ!」 「ちょっとなあに?邪魔するの?」 「ちが、あのっ……それ、私も参加して…いい!?」 「What!?」 私の提案に、彼女だけでなくスタンリーも驚いた表情をして見せた。……あれ、私なにかおかしなこと言った? 「ヒュ〜!あんたそれ、俺と3Pしたいってこと?やるね」 「えっ……」 「まあ、アンタがどぉしてもって言うなら…いいけどぉ〜?」 えっ!??! もしかして今の私の発言って、とんでもないヘンタイ女な発言だったの!?でもよく考えたらそうだよね、私も参加って…そうだよね、私が悪いわよね。しかも彼女も若干ノリ気だし、スタンリーも否定しないし、ここで断ったら私はもう完全にアウトだ。さようならグッバイだ。 「……Yes,I do.」 これであなたの視界に入るなら――。 |