| 石化前/スが超絶甘々です 「スタン、今日はお出かけしない?」 「ん?名前がそうしたいならいいぜ、どっか行きてぇトコでもあんの?」 「うん、欲しいものがあるの」 長期航海を終えて無事帰還、即行彼女の住む小さなアパートに行ってめいっぱい抱いた。そのままの意味と色んな意味で。今回は結構長い間離れてたから禁断症状ギリギリ手前だったが、彼女の顔見た瞬間全部が満たされたような感覚に陥る。 「欲しいモン?あんたがそう言うの珍しいね、いつもは言えって言っても何も強請ってこねーくせに」 「うん、すーーっごく欲しいもの」 「へェ気になんじゃん、なによ?」 「それは行ってからのおたのしみ」 すっげーーー気になる。んだよその企みある笑み、カワイイな。つーか名前が欲を見せるなんてのは滅多にない。クリスマスもバースデーも、何が欲しい?って聞いてもコイツは毎回同じ返事をする。「スタンが欲しい」ってな。もう俺はあんたのモンだよ、骨の髄までな。 「疲れてない?大丈夫?」 「んなんヨユーだわ、それよりあんたのが大丈夫かよ、昨日激しくしすぎたかんね」 「っ!だ、大丈夫だよ!」 「はっ、真っ赤じゃん、かーあい」 「もう、キスしてないで出かける準備してよっ」 まあ俺も帰宅してすぐだったから何発かヤってそのまま爆睡しちまったかんな、今夜またガッツリ抱くか。溜まってた分覚悟しとけよ。…と、出かける準備ね、ハイハイ。 ちゃちゃっとシャワー浴びて適当な服着替えて準備を終えっと、彼女もまた出かける準備万端の恰好で今はエントランスで靴を選んでた。 「その服初めて見た」 「うん、この前買ったばっかなの、ヘン?」 「まさか、超似合ってんぜ、お姫様みたい」 「そこまでゴージャスって服じゃないんだけど…」 「あんたが着るモンはなんでもプリンセスドレスさ」 まーた顔赤くしてる。これだからあんたを甘やかすのをやめられねぇんよ。 「この服、次スタンと出かける時に着ようって決めてたの、だからあなたに最初に見てもらえて嬉しい…」 …………Oh,やられたぜ。 んだよその微笑み、聖母じゃん、天使じゃん、女神じゃん、眩しすぎんよ。不意打ちやめろって、また抱きたくなんだろ。愛おしすぎてそのままハグしようとしたら華麗に避けられて「さ、行くよ」って、クッソ、帰ったら覚えてろよ。 俺ん愛車で軽く飛ばして彼女の指示する某デパートへとやってきた。このデパートっていやあアレじゃん、高級ブランド店が一斉にぶち込まれてるとこじゃん。え、俺なに買わされんの?いや別に愛するシュガーちゃんの為なら多少高額なモンでも買ってやっけど、予告もなしにコレはちょっとビビんぜ。 「スタン、こっち!」 俺の腕に抱き着きながら嬉しそうにデパートの中へと誘いこむ名前に、ああもう何でも買ってやんよって一瞬でその気にさせられた。あー、俺も甘いなマジで。こんなん部下にぜってぇ見せらんね。 「そろそろ何が欲しいか教えてくんね?」 「んーそうね、今日の買い物はスタンがいなきゃ意味ないし」 ん?俺の財布がってこと?給料はまあまあ良い方だかんね、仕事柄無駄遣いもしねぇから出せるのは出せんよ。 「とりあえずあそこのブランド店にまず行ってみよ」 「とりあえず?」 「うん、各ブランド色々出してるから、いっぱい試すの」 「ん?オーケー?」 全然意味わかんね。コイツたまにぽわぽわお花畑なとこあるかんな、まあそーゆーとこがカワイイんだけど。じゃなくて、結局俺は何を買わされんだ? 「何かお求めですか?」 やって来たのはブランドコスメが集結したフロアで、どうやら欲しいのは化粧品らしい。でもコイツそんなハイブランドのコスメ使ってたっけ?男なんであんま化粧品は見たことねぇけど、俺の知ってる限りコイツはそこまで化粧に拘ってた記憶がない。だってなんもしねぇでもカワイイじゃん。 上品にそのブランド店の店員が話しかけてきて、やっぱハイブランドともなっと店員の質がちげぇな。ジャパニーズみてぇじゃんよ。 「はい、香水を探してて」 「香水?」 「香水でしたらこちらです」 香水が欲しいのか?でもあんた今までそんなんつけてたっけ?俺の記憶が正しければ、むしろあんまそーゆーの好きじゃねぇって前言ってた気すんよ?よく分からないまま腕を組んだままなんで彼女と一緒に店員についてって香水コーナーへとやってくる。んで、クルリと彼女がこっちへと視線を向けた。 「さあスタン、好きな匂いはどれ?」 「は?」 「スタンの好みの、スタンに合う匂いを探しましょ!」 「What?あんたの香水買いに来たんじゃねぇのっ?」 「え?ちがうよ?私がスタンにプレゼントする香水を買いに来たのよ?」 マジかよ!! ああなるほどね、”スタンがいなきゃ意味がない”っつーのは俺の財布じゃなくて俺自身っつーことね、安心したわ。 「プレゼントしてくれんのはすっげー嬉しいけど、俺に香水なんてプレゼントしてもつけられんの限られんよ?」 「うん、休みの間だけでいいの」 「なんでよ?もしかして俺のニオイ嫌い?」 「ちがうの!スタンの匂いは大好きよ!えーと、理由はー……ここじゃ恥ずかしいから、後でね」 またかよ!でもビビった、俺ってもしかして汗臭い?って不安なったじゃん。今日は焦らすねマジで。恥ずかしいってなに?すっげー気になるんですけど。 「とりあえず探しましょ、スタンに合う香水」 「んー、まあ、OK」 なんか若干煮切らねぇけど、名前が俺の為にプレゼントしてくれるっつーんなら喜ばないわけにはいかねー。正直香水とか自分ならぜってー買わねぇし、そもそも勤務中はつけらんないから買うなんて選択肢は一生頭に湧いてこ無いだろう。持て余す気しかしねぇ。それでもニコニコ笑って香水を選ぶ名前に、俺はそれ以上なんも言えなかった。 「これとかどう?トップノートはプリモフィオーレレモンとピンクペッパーのいい香り」 「うん、嫌いじゃないね」 「ちょっとつけてみよっ、手だして?」 「あいよ」 手を差し出せば、ほんの少しだけ彼女が俺の手首にサンプルの香水を振りかける。 「ん〜〜〜〜」 「すっげ匂うじゃん」 「だってここが大事なんだよ!」 「?まあ、あんたが言うなら仰せのままにだけど…なんかハズイね」 「ちょっとスタンには渋すぎるかなぁ…、タバコとの相性はよさそうだけど、もう少し若いのがいいかな?」 「まあ若干おっさんがつけてそうではあんね」 「オーケー、次いきましょ!」 すっげーー真剣に選ぶじゃん、どうしたよ?俺の手首にこれでもかってくらい鼻くっつけて、しかも香水つけてない俺の胸板にハグしてくんのかって位ぇ顔近づけて交互に匂ってくる。このまま抱きしめようかと思ったけど手首がっちりホールドされてんで出来なかった。あとやったら怒られそうなくらい真剣な顔してっかんね。 「私の好みでもスタンがイイ匂いって思わなきゃダメだからね、ちゃんとスタンも選んでね?」 「ハイハイ、分かってんよ」 正直あんたが選ぶモンなら何でも好きになれる自信あっけどね。男以外なら。 そっから何店か回って散々香水を俺の体にぶっかけられ、散々吸われた。外でんなくっつくな、マジでこのままどーにかしてぇ。ただでさえ長期で会えてなかったかんね、昨日今日じゃ足りねぇよ。 「ん!この匂い!」 「ん?ああ、いいんじゃん?俺好きよ」 「ほんと?私も好き!スタンの匂いと凄くマッチしてる!」 違う違う、今の好きは俺への好きじゃなくて香水の好きな、焦んな。危うくさっきまで抑えてたのが崩壊しそうだったじゃん。つかこんなんで堪えきかんとか軍人が聞いて呆れるぜ。あんたがんなカワイイ顔すっからダメなんよ。 それよりもどうやら、お気に入りの匂いを見つけたらしい。ブラックティーの甘く重圧感のある匂いとベルガモットの爽やかな匂いに混じって、ほんのり香るバニラがセクシーな印象を感じさせた。 「これにしていい?」 俺もわりとその匂いは今までん中で一番好きだと思えたんで素直に頷いて見せる。「じゃあこれにするね!」――こうして順調に会計を済ませ、丁寧にラッピングされた小さな高級感溢れるバッグを片手に名前は満面の笑みだった。畜生、可愛すぎんだろ。 「つか、俺にもなんかプレゼントさせろよ、このままじゃヒモみてぇになんじゃん」 「なに言ってんの、スタンはいつも私にくれてばかりじゃない、これ以上貰えないよ」 「つってもあんた欲しがんないから最後にプレゼントしたのバースデーん時だぜ?あれからかなり経ってんよ」 「ううん、昨日貰ったよ?」 「は?なによ?」 「スタンが無事に帰ってきてくれるだけで、充分なプレゼントだよ」 …………………俺は今耐えてる。必死に耐えてる。この神々しく輝く女神を抱きしめんのを。あ、無理かもしんね。 「抱きしめてキスしていい?」 「軽いハグはいいけどキスはだめ」 「だめだ、濃厚なんがいい。早く車戻んぞ」 「ごはん食べないの?」 「腹減ってる?」 「うん、ぺこぺこ」 「………食いに行くか」 「うん!」 名前はあんま外でキスとかすんのは好きじゃないらしい。まあ俺も別にわざわざ外でいちゃつきたいわけでは無いが、してぇって思ったら周り気にせずすぐしてぇ派。恥ずかしがり屋なシュガーちゃんに免じて、車までは待ってやんよ。車までは、な。 近くの小洒落たレストランで軽く飯食って、ここの会計は勿論俺が出した。アイツは自分で出すって言い張ったけど、さすがにここ位は出させてくんねーとキツいぜ。つーか俺は今すぐあんたに高級ダイヤでもプラチナでも望むものなんでも買い与えてぇわ。 「はいスタン!Present for you!」 「サンキュ、もしかしてその為にずっと持ってたん?」 「そう、改めてちゃんと渡したいから!」 駐車場で車見つけて二人で乗り込んだ時だった。即行ハグしてキスしてやろうって思って手を伸ばした瞬間、彼女が俺に向かって今日買った香水の入ったバッグを差し出す。買い物中俺が持つよって言っても頑なに自分で持つと言い張ってた理由がようやく分かった。一々やること可愛すぎんよあんたは。 「ねえ、さっそくつけてみて!」 「ん?ああ、そうな」 一応サンプルで軽くはつけたけど、手だったしもう消えてんな。重厚なラッピングを剥がしていくと、高級感あふれる小瓶が姿を現した。 「香水ってどうつけんのが正解よ?」 「手首にブシュッとかけて、首とか耳の裏とかに擦りつける…かな?」 「へェ、こんな感じ?」 「うんうん、いい感じ」 「つか車ん中でぶっかけっとニオイすげーな」 一瞬だけドア開けてパタパタと空気を入れ替える。鼻が慣れたのかなんなのか、いい感じに匂いが混じった。よし、と彼女の方へ体を向けようとした瞬間、細く可愛い手が俺の体にぎゅっと抱き着いてきた。俺は思考停止。 「これが今日からスタンの匂いになるのね」 「は、ちょ、なんよいきなり?」 なに可愛いことしてくれちゃってんの?こんなんされたら俺もう歯止めきかねぇよ?今日散々我慢したかんね、俺のボルテージ完全に突き抜けてんよ? 「スタンに香水をプレゼントした理由ね……ほんとは、私の為なの」 俺の胸に顔を埋めながら彼女がくぐもった声でそう言った。とりあえず同じようにその小さく華奢な体を優しく抱きしめる。 「スタンがいない間どうしてもあなたが恋しくなっちゃうから、だからこの香水を”スタンの匂い”にして……待ってる間少しでもスタンを感じれるようにしたくて…」 「………」 「わ、我ながら気持ち悪いよね……不快に思った?」 つまり、俺がいない間この香水嗅いで俺の事感じてたいって?そーゆーことでオーケー?……おい、おい、そんなん、マジ、 「Jesus Fxxking Christ!んなわけねぇだろ!!あんた可愛すぎんぜ!愛してる!ああもう無理だ、キスさせな!」 「ひゃっ!?」 これ以上待てはできねぇぜ!抱き着いてた名前の顔をこっちへ向けて思い切り唇に噛みついた。若干驚いて抵抗を見せるがそれも一瞬で、次第に俺の唇を受け入れて答えるように必死に動かして見せる。はぁ、最ッッ高! 「んっ、すたん、もぉっ…」 「はぁ、もうちょっと」 「むっ…んんんっ…」 あーやべ、その声可愛すぎ、勃つ。このままここでヤっていいかな?さすがにこれ以上は怒っか。んじゃキスだけでも堪能させてくれよな。 「ぷはぁっ…!もう、スタンのばか!」 「あんたがあまりに可愛いことすっからじゃん、ほら俺の匂いにすんだろ?もっと近づかねぇと」 「か、帰ってからね!」 「まじ?じゃあソッコーぶっ放して帰んぜ」 「ちょ、そういう意味じゃ…!」 あーもう聞く耳もたねぇよ、つか出かける前からもう決めてたかんねあんたを抱くって。あんたがどうしてもって言うなら待てはできんが、その顔はあんたも満更でもないって感じじゃん?分かるよそんくらい。 「スタンの匂いじゃなくて、私の匂いにもなっちゃいそう」 じゃあこの香水は、俺とあんたの匂いになるってわけだ? 「最高じゃんね」 ”Top notes”は――暖かく落ち着きのあるブラックティー。 ”Middle notes”は――ほんのり甘いバニラで君を酔わす。 ”Last notes”は――You and I. |