| 石化後/スとゼの幼馴染/下品 「なあ、すっげセックスしてぇ」 「わたしはすっげ寝たい」 “じゃ、グッナイマイダーリン!” 今日も今日とてこの過酷なストーンワールドで生き延びる為に散々労働に励んだ私はとっても疲れている。しかもなんと遂に、我がモーモー牧場(勝手に命名)のハナコ(勝手に命名)が出産したのだ。自分が育てた牛のお産を手伝うだなんて初めての経験をした私の今の疲労っぷり、分かって頂けるだろうか。そう、めちゃくちゃ、すっげ、疲れてる。 「そう言うなって」 「私は出産で疲れたの」 「あんたじゃねぇだろ」 スタンのアピールは毎回ド直球だ。恥ずかしすぎるくらいストレートブチかましてくるけど、ごめんなさい今日は空振り三振させて。本当にもう疲れたの。 「じゃあ手だけでいいから、な?」 「やだよぉ…あれ結構疲れるんだから。牛のお乳みたいに3秒ですぐ出してくれるならいいけど」 「無茶言うなって」 「モ〜〜〜〜わがまま!」 「ほらほら、頼むぜ子牛ちゃん」 うわベッド乗ってきた、最悪。私とスタンじゃ体格差だけじゃなく力の差でも余裕で私が負けるんだから、押し通されたら勝てるわけない。普段部下に見せてるあの厳しいクールな隊長はどこですか。甘い声で子犬みたいな顔しちゃって、スマホがあったら録画してやったのに。早くゼノ作ってくれないかな、スマホ。 「スタン!おすわり!」 「やだ」 「ちょっと、もう、寝るんだってばぁ…!」 「言うこと聞いてほしかったらエサよこしな」 「あーもうじゃあキスだけね、はい、ちゅー」 「足りねぇ」 「ンンンッ!!」 軽くチュってするだけのつもりが、がっつり顔をホールドされて濃厚も濃厚なディープキス。咥内にスタンとタバコの匂いが広がっていく。あまりの激しさに酸欠寸前。 「ぷはっ!もうスタン!ばか!」 「最近ヤってねぇから溜まってんよ、なぁ名前?」 「そんな甘い声出して名前呼んでもだめ、今日は寝るのっ!ていうか3日前にシたばっかりじゃん!」 「3日も我慢したんよ?」 「軍に居た時はもっと我慢してたでしょ!」 いつから彼はこんな甘えたちゃんになってしまったのだろうか。…………いや、わりと石化前からこんなだった気がする。普段はクールでカッコイイスタンリー隊長って感じだけど、私とゼノの前では大体こんな感じだ。あ、そうだ。 「もう、スタンがそんなだから私今日はゼノと寝るからね!」 「は?ふざけんな待てよ!」 「もう遅いですー!」 スルスルっと乗り上げるスタンの隙間という隙間をすり抜けて、私はパジャマ姿のまま部屋を出て行った。ゼノの部屋はすぐ近くなのでスタンに捕まる前に逃げ込めるだろう。今日はゼノも徹夜しないで寝るといっていたからきっと部屋に居るはず。ゼノの部屋の前へ到着すると、コンコンと軽くノックをして返事も聞かずにドアを開けた。 「ゼノ、寝てる?」 「…いや、起きてるよ。どうかしたかい?」 「ねぇお願い、一緒に寝てもいい?」 「別にかまわないが、君から来るなんて珍しいね」 「うん、部屋に猛獣が出たの」 「おおそれは困ったね、今度対猛獣用の罠でも君の部屋の入口に仕掛けておこうかい?」 「それは良い考えね、是非ともお願い」 既にベッドに潜り込んでいたゼノは今まさに眠ろうとしていた所だったらしい。若干申し訳ないなと思ったけど、声を掛けたら大きな黒目をカッと見開いていたので罪悪感はそこまで感じなかった。 「じゃあおやすみゼノ」 「ああ、おやすみ名前」 軽く彼の頬にキスを落とすと、返すように額に唇が落ちてきた。やっぱりゼノはスタンと違って紳士的で落ち着いていて、疲れた時に寄り添うにはぴったりだ。スタンもどうやら諦めて追いかけてこないみたいだし、やっとぐっすり眠れそう。 「抱きしめても?」 「うん、別にいいよ」 「ではお言葉に甘えて」 背後からゼノの腕が私の体に回る。寝る時の彼はあの悍ましくも見える魔女のような爪は持ち合わせておらず、少し骨ばった細く長い温もりある手が直に触れた。 「………………」 「………………」 「………………」 「んっ……………ちょっとゼノ?」 「なにかな?」 「なにかなって……手が、なんか、イヤらしい手つきなんだけど」 お互い息を静めて静寂が流れたと思いきや、ゼノの手がなんだか怪しく動き出した。ただ単純に抱きしめられているだけかなとも思ったけれど、腰を優しく撫でていた手がどんどんと胸元に上がってきてやわりとその部分を揉む。まあそれくらいなら別にいいかなとも思ったけど、今確実に突起をつまんだ。ハイ、摘まみましたね今。現行犯です。 「おおよく考えたら君と最後に行為をしたのは一週間も前のようだ」 「ゼノここ最近ずっと大工作に励んでたからね。だから疲れてるでしょ?今日はもう寝た方が…」 「ああ確かに疲労を感じてはいるが、驚いたことに君に触れた瞬間熱が収まらなくてね、このままでは到底安らかに眠れそうにない」 「あー……えっと、つまりそれって」 「名前、今からセックスしよう!」 “Oh my God.” まさかこの1時間内で二度も同じ台詞を、しかも違う男性に浴びせられるとは思いもしなかったわ。振り返って見たゼノの瞳はさっきとは比べ物にならないくらいギラギラと怖いくらいの眼力で見つめていて、私は小さくひぇっと悲鳴を上げた。 「ごめんなさいゼノ、私とっても疲れていて…」 「まさか断るのかい?この僕の願いを?」 「うっ……そんな当然言う事聞くでしょみたいな真っ直ぐな顔して見ないでよ…」 「そもそも、こんな夜中に関係を持った男性のベッドに忍び込んだということはそういうことだと判断されても否定できないと思うが?」 「だってそれはゼノならそんなことしないって…」 「ん?」 ああもう何でそんな恐怖じみた顔して真っ直ぐに純粋な目ができるの?“僕なにかオカシなことでも言ったかな?”とでも言いたそうな顔、その顔よ、やめて。そして私はその変に悪っ気のないベイビーフェイスに、弱い。 「キスだけじゃダメ?」 「ではまずキスをしてから考えよう」 「んっ…」 グっと頬を掴まれて唇が奪われる。ゼノとのキスはまず最初に啄むようにして唇を堪能し、そこからゆっくりと彼の舌が私のを絡め取ってくる。もう一人の猛獣と違って彼のキスは繊細だった。 「おおダメだ、興奮が収まらないようだ」 「ちょっと、もうっ」 「名前は良い子だから、僕に付き合ってくれるよね?」 「だからそんな目でっ…」 「オイオイ、人のことはさんざフッといて、そりゃねぇぜマイハニー?」 ゼノの手が私の服を脱がしにかかった時だった。いつの間にか開いていたドアから薄暗く人影が見え、そしてその影はスタンリーの声でそう言った。ああ、最悪のカードが二枚も揃ってしまった。 「おおスタン、今から彼女とセックスをするんだ、邪魔しないでくれ」 「ハァ?言っとくが、予約してたのはこっちが先だかんね」 「おや?彼女は自ら僕のベッドに来たみたいだが、それは君を拒否したからではないかな?」 「うるせぇよ、つかあんたもあんただぜ、オレよりゼノのがいいわけ?」 「おお名前、この際だから優劣はハッキリつけようじゃないか、僕とスタン、どっちがいいんだい?」 二人の男に迫られ、私はこれでもかというほど眉間に皺を寄せて「はぁ?」とあまり綺麗ではない声を漏らした。 「どっちもなにも、」 愚問だ。 「どっちも好きに決まってるよ」 「「正解」」 意味が分からない。だって私達はずっとずっと三人一緒で、優劣なんて今まで付けたことなんてなかったじゃない。なのに今更なんでどっちがなんて言い出すのかと思ったら、どうやら二人も分かってて聞いたらしい。仲良しじゃん。 「つーわけだ、ヤんぜゼノ」 「ああ、勿論さスタン」 いやなにアツイ友情みたいなアイコンタクト交わしてるの? 「ねぇふたりとも…」 「「なに?」」 「あー……愛してる、わよ?」 「ああ僕もだよ名前」 「俺も愛してんぜ名前」 “だから今からセックスしよう” 「わたしの安眠……」 |