石化前/七夕ネタ




「日本のお祭りで七夕ってあるじゃない?」
「ああ、そんなんあっけか」
「あれって愛し合う男女が年に一度しか会えない呪いをかけられちゃったんだって」
「そんな話だっけ?」
「あれ、違ったっけ?まあ、でも確か年に1度しか会えなかったはず…」

 やっとできたフリータイムでベッドのサイドボードに置いてたスマホを手に取り、ぽちぽちといつの間にか変わっていた日付とその日のニュースを見ながらふと“七夕”というワードに引っかかる。ロスにも七夕のお祭りがあるのでなんとなくは知っているけど、本場の人達に怒られそうなにわか知識しかない。なんとなく、恋人や大切な人の物語だったような…。

「わたしとスタンみたい」
「今年は2回は会ってんよ、がっつり一週間は休暇とってな」

 スタンは忙しい。どれくらい忙しいかって言われたら、とんでもなく忙しい。いや本当に。しかも、“絶対帰ってくる”っていう保証なしだ。

「わたしは年一でも耐えられるよ」
「なに張り合ってんよ。つか、そんな俺といたくねぇの?泣くぜ?」
「まさか、毎日だって会いたいよ。……いや、毎日はさすがに」
「泣くよ」
「嘘だってば。でもやっぱ毎日はいいかな、体がもたない」
「毎日ヤる気かよ」

 スタンだったら毎日できるでしょ?

「できるよ。じゃねえよ」
「ふふ」

 でも本当に、毎日はいいや。それは別にスタンと毎日いたくないっていう理由ではなく、

「毎日スタンといたら、毎日スタンのこと考えちゃうしきっと私仕事しなくなるからやっぱりだめ」
「あんた不器用だもんな」
「そう、極端に生きてるのよ」
「極端すぎんよ」
「それはスタンもでしょ」
「まあな。じゃ、お似合いっつーワケだ」
「そうそう、お似合いなの」

 私もスタンに負けず劣らず忙しい。でも熱中するものがあるからこそ、彼と会えない日々はそう苦ではなかった。勿論寂しいって思う気持ちもあるけど、その分会えた時…最高ってなるから。だからスタンに会えるって日は全力を注いで彼に会っている。

「つか今のかなりキたね」
「わ、ちょっと」

 スタンがジュッと吸っていたたばこの火を消し、横で寝転がっていた私の上に覆いかぶさる。お互い服は着ていない。

「なあ、さっきからオアズケ喰らってんだけど、いつGOサインでんの?」
「ああ、忘れてた」
「フザケンナ。あんたが少し休憩っつーからずっと“待て”してたんよ?」
「ごめんね、でももう一本くらい吸ってもいいよ?」
「素晴らしい提案だが、いい加減俺はあんたを吸いたい」
「それ、オヤジくさいよスタン」
「もうわりといい歳だよ」
「あー現実こわい」

 首筋に彼の唇が降ってきた。さっき痕をつけられたところにもう一度吸い付かれ、ピリッとした刺激を感じる。
 確かに少し待たせすぎたかもしれない。とは言っても、一度はGOサインを出したし、普通のカップルならそれで終わるはずなのよ?なのにうちのクソバカ体力オバケの軍人さんは一回や二回じゃ終わらせてくれない。だから少し休憩入れたの。

「正直あんたが“待て”つったら待てんよ俺は。でも俺はバカ犬じゃないんでね、“本当の待て”と“そうじゃない待て”の区別くらい、つくよ」
「Good boyすぎてやんなっちゃうね」
「ほら、ゴシュジンサマ、GOは?」
「ん〜〜〜…G」

 O…って言う前に唇は完全にふさがれた。




「オリヒメとヒコボシも、今日は楽しんでるのかな」
「そりゃ、ズッコンバッコンだろ」
「だからさ、その顔でオヤジみたいなこと言うのやめてくれない?」







タナバタの呪い


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