2019/02/07
煙草 トビ(オビト)ver
「ねぇお願い!」
俺の前でそう手を合わせて懇願する女。何度繰り返されたか分からないこのやり取りに小さく溜息をつく。
「煙草!吸ってみて!」
「……何をそんなに…」
彼女に差し出されたのは、煙草。どこで買ってきたというのか。任務中だというのに、先程からずっとこの調子なのだ。これでは埒があかないと、俺は半ば呆れた様子でその煙草を引っ掴んだ。
「一本吸ったらさっさと行くぞ」
かちゃりと仮面を少しだけずらし、黒い布から口元だけを出す。箱から一本取り出した煙草を咥えて火を付けて、白い煙を吐き出した。吸えなくはないが、正直これに嵌る気持ちが分からない。
「……これでいいのか、」
と振り返って固まった。きゅんきゅんと目をハートにしたコイツが、俺をうっとりと見つめているのだ。……まあ、偶にはいいか。
※昨日ツイッターで友達と話してたネタ…煙草を吸わせてみたかった。