彗星の軌跡U

――私の真名は、エクスカリバー。
カリバーンであったもの。
選定の意思であるもの。

――故に、ルーラークラス(選定者)として現界しました。

玉座に現れた魔神柱の形をした死の概念を打ち倒し、役割を果たしたサーヴァントは淡く消えゆく。

その別れ際、ルーラーは出会った当初と変わらぬ凛とした目でこちらを見つめ、その真名を明かした。

「いえ…真名はエクスカリバーであるのですが…。
えぇ、是非貴方には、レアナと呼んで欲しいものですね」

漂う金色の光の粒の合間に見えたのは、その淡いエフェクトに映える儚い笑顔だった。



死の夢から覚めて数日。

あれから特に不思議な夢を見ることなく日が過ぎていった。
マシュもダ・ヴィンチちゃんも、俺の体調は暫く要注意としていたがそれも解ける頃…

聖晶石も貯まってきたことだし、ここで一丁大回転!と洒落こむことにした。
すると、なんと虹色の光がサークルに満ち始めた。

―強力なサーヴァントの召喚…!

心強い味方の登場への確信に、隣に控えるマシュを振り返る。
マシュもそれを確信したのか、頷いてこちらに応えてくれた。


魔力が炸裂し、眩い白と金が部屋中に輝く。

光の奔流が収まる。

そこから現れたのは、あの時のサーヴァント…
ルーラー・エクスカリバー。
いや……


「レアナ……」

「はい、マスター。
カルデアのマスター、藤丸立香。
貴方の剣となり、力となり、この人理の正しさを選定致しましょう。
どうぞマスター。
必要な時は我が剣、遠慮なく抜いてください」


違えずその名を呼ぶと、彼女は少し嬉しそうに微笑んだ。



朧気な夢の中の記憶が蘇る。

「なんでルーラーは旅をしているんだ?それも結構長い間だろ?」

「はい、私は旅をしています。
とても、とても長い旅路。
未だその終わりは見えません」

「え?それって…旅の目的が分からないっこと!?」

「いいえ。
目的は、しかとこの胸に刻んでおります。
ただ……。
ただ、それがどこなのか…いつなのか…私には、分かりません」



「―でも」

「でも?」

「これだけは、確実です」

「我が王に、最後の光を託す―」

最後の獣を討つため。
その為の力を。光を。

私は。
その為に。
その為だけ、に。



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