スングァン K43367163

「あ、おはよ〜。スングァナ今日も可愛いね」学内を歩いていると可愛い後輩と会って、日課とも言える言葉をかける。『ヌナおはよう。可愛いって言うのやめてって言ってるじゃん』ぷりぷり怒りながらも挨拶を返してくれる後輩はちっとも怖くなんかなくて、可愛いの一言に尽きる。
「怒っても可愛いなんて罪だよ〜」後輩の頬を両手で包んでモチモチ肌を堪能していると手首を掴まれて離される。『もう、ほんとに怒ってるんだけど!?』「ごめんごめん、お昼奢ってあげるから」『別にいらないよ』「え〜ヌナと一緒に食べたくない?」『…一緒には食べるけど奢らなくてもいい』ちょっと恥ずかしそうに目を逸らしてそう言う後輩が可愛くて。
「どうしてそんなに可愛いの?ヌナをどうしたいの?」『どうしたいって…』少し考える素振りを見せたと思えば、掴まれたままだった腕をグッと引っ張られて。目の前に広がる後輩の首筋とフワッと香る香水に顔が一気に熱くなる。
『ヌナを彼女にしたい』耳元でそう囁く声はちっとも可愛くなくて、むしろいつもより低くて心臓がバクバクする。『…ヌナ、耳まで真っ赤だよ』「…スングァナ!」こんな後輩知らない、聞いてない。『ちょっとは僕にドキドキしてくれた?』腕を離されて少し首を傾げる後輩は可愛いはずなのに。ちょっとどころか心臓が鳴りやまなくて、顔の熱も全然引く気がない。『ヌナ照れてる』嬉しそうな後輩に頭を撫でられて、いつもと形成逆転しちゃってるのに、なぜか嫌じゃなくて。
『あ、授業始まる。お昼は食堂で待ち合わせ用よう?』「うん…」そのまま別れると思いきや、振り返った後輩が『…さっきの、本気だから。ちゃんと考えておいてね』そう言って歩いて行く姿を、角を曲がって見えなくなるまで見つめてしまった。なんとか始業には間に合ったけど、授業中も後輩のことで頭がいっぱいで集中できなかった。
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