「やっとやんだみたいだな…」
「きゃはは!雪だ!すごぉ〜い!」
「…おいタケル!気をつけろ!」

ヤマトは1人縁側で外を見ている少女を見つけた。
サマーキャンプに参加していた1人だ。
「なあ太一、あの子誰だ?」
「あの子の弟がオレ達と同じサッカークラブの選手なんだ。双子の姉ちゃんでさ、時々顔出しに来るんだぜ」
「ふーん…あっタケル!」

「ふう…寒いわねー。夏とは思えない…」
空は凍える肩を抱きしめてそういう。それもそうだろう、なんせ辺り一面雪景色だ。

「…ホタルちゃん?」
「…あ、タケルくん。久しぶり。この間お見舞いに来てくれてありがとう」
「ううん、いいんだ!元気になってよかった!」
タケルはそういって、ホタルに笑顔を見せた。

「タケルとあの娘って知り合いだったのか?」
「それは知らなかったけど、ホタルちゃんが病気で入院してたってことは知ってるわ」
「でも、あいつら何処で知り合ったんだろ」
「…さあ」

ヤマトと空はそんな話をしながら2人を見た。
「早く大人がいるところへ戻ろう!そうでないと…」
「きゃあ!きれ〜い」

「ダメか…吹雪が止んだら電波届くと思ったのにな…」

「ホタルちゃん!お兄ちゃん達の居る方に行こうよ!そこじゃ寒いよ?」
「うん」
外のほうに集まると、空には神秘なオーロラが出現していた。

*
「うわぁ!!!」

「ロマンチック…」
「あ、あれは…」
「オーロラよ!!」
「はじめてみたぜー…」
「すごいよねー…」

「ゲホッゲホッ」
「ホタルちゃん!?空さん、お兄ちゃん!」
「大丈夫か?」
「とりあえず、さっきの建物まで運ばないと!」
喘息を起こしたホタルは、空とヤマトに抱えられながら屋根の下に戻った。
「病院の先生は治ったって言ってたのに…」
「そうなのか…病み上がりなんだろ、無理しちゃいけないよ」
「ありがとう。タケルくんのお兄さん、初めて会ったけど…優しい人ね」
「そ、そんなことないよ」

ヤマトは照れながら、そっぽを向いた。空はそんな二人の会話にクスリと微笑んだ。
ホタルの喘息も収まって太一たちと合流したヤマト、空、ホタルは、
空から聞こえてくる奇妙な音に振り向く。
「おい、あれ…」
太一の声と同時に、隕石のような何かが突然空から降ってきた。

「みんな、ケガはない!?」
「何とかな…」
「びっくりしたぁ…」
「隕石…!?え…?」
「なんだろう、これ」
「あ…」

「………」

猛々と音を立てて、子どもたちの前に現れたのはケータイでも
ポケベルでもない項目(アイテム)。


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