01
『杯戸シティホテル?』
夜も更けてきた頃、さて寝ようかと布団に潜ったところで幼馴染からの着信。
仕方なく出るとそう告げられ、あぁ迎えに来いとなと察して仕方なくパーカーを羽織りバイクに飛び乗って彼が待つ場所へと走らせる。
少し先に見えた小さな影に近づいてバイクを停めると気がついたようでこちらに向かって手を上げた。
『タクシーじゃないんですけど。』
「わりぃな。じゃあ杯戸シティホテルまで頼む。」
謝っておきながらタクシー扱いをする彼に溜息をつきながらも、ヘルメットを渡して後ろに乗ったのを確認するとまたバイクを走らせた。
『で、その泥棒は本当に来るの?』
「あぁ、そのはずだぜ。」
『今どき律儀に予告状なんて出す泥棒が居たんだね。』
そんな会話をしていればすぐに辿り着く目的地。
「じゃあ、おめーはここで待ってろ。」
『えっ、ここまで来て?』
「どんなやつかもわかんねぇのに連れてける訳ないだろ。」
そんなことを言いながらヘルメットを外して私に手渡し走り去る彼。
幼馴染、と言えど今彼は小さくなってしまっているので正直そっちの方が危ない気がするんだがと思ったがそれを口にする前に私の視界から彼は消えていた。
はぁ、とため息をついてビルの隙間にバイクを停めてヘルメットを外す。