すとろべりー きゃんでぃ
カタカタ、とキーボードを打つ音だけが響く探偵社。
謎に私の横のデスクに座ってお菓子を食べる乱歩さん。
今は探偵社に二人きり。
いつも一緒に残業する国木田さんは任務と太宰さん回収で外に出ていてそのまま直帰だし、敦くんや谷崎さん達ももちろんいない。
正直美味しそうにお菓子を食べる乱歩さんを眺められるだけ眺めたいけどこんな真隣に座られては少し目線をやっただけで気づかれてしまう。
ふう、とため息をついて席を立ち落ち着かせるためにお茶を入れに行く。
「名前ー、僕のお茶もよろしくー。」
『はーい』
お茶を入れてくることを察したのか私の背中に声をかける乱歩さん。
とりあえず適当に返事をしてお茶を入れ、一杯飲み干したもう一杯入れる。
好きな人が謎に真隣に居たんじゃ仕事にも集中できない。
乱歩さんにお茶を差し出すと見た事のある包み紙。
『え、乱歩さんそれまさか』
「ん?名前の飴」
乱歩さんが手に持ち眺めているのは今日仕事を終えたら食べようと思っていた苺味の飴。
それ最後の一つなのに…期間限定だからもうないのに…
色々と言いたいことが出てくるが乱歩さんにそれは通用しない。
『それ食べたかったんですよ。美味しいでしょう?』
自分の席につき飴を舐める乱歩さんにそう聞くとうーんと唸る。
『人の食べといて不味いとか言わないでくださいよ?』
私がそうムスッとすると乱歩さんは私を見たまま固まる。
え、なに?と声を出す間もなく乱歩さんの顔が近づき唇が触れる。
と同時にコロン、と口の中に飴が入ってくる。
『んっ、…は、え、今の』
「どう?美味しいでしょう?」
そう笑う乱歩さんに遅れて顔が熱くなる。
『甘い、です』
赤くなった頬を見られまいと顔を背けてそう呟くと乱歩さんに頬を掴まれ、また唇が重なる。
『んっ、ふ、』
今度は乱歩さんの舌が入ってきて私の口から飴を奪っていく。
「確かに、甘いね」
唇を離した乱歩さんは笑顔でそう言う。
『はい、甘い、です』
「でも嫌じゃないでしょ?」
『っ…はい』
私が頷いたのと同時にまた唇を奪われ、二人の口の中で溶ける飴を感じる。
甘いのは飴か、キスか
(ところでこの飴僕の家にあるけど食べたい?)
(え、あるのに食べたんですか?)
(うん。で、食べたい?)
(もらえるなら食べたいですよそりゃ。)
(じゃあ僕の食べたいものもくれたらね。)
(乱歩さん今卑猥なこと考えてません?)
(さあ?どうだろうね。)