ネタ帳

2023 / 11 / 14
juju

七海、灰原と青春を送るストーリー予定だった「青春サイダー」というタイトルのネタです。供養。尻切れ蜻蛉。





「はじめまして!#名字##名前#です!」

 ハッと両手で口を押さえる。
 第一印象が大事だからと元気に笑顔で!と何度も念じていたら、吃驚するほど大きな声が出てしまった。

「よろしく、おねがいします……」

 恥ずかしくて尻すぼみになってしまう。ぼぼぼっと頬が熱を帯び、緊張していたことにきっと気が付かれてしまっただろう。
 東京都立呪術高等学校への入学。呪術師自体が少ないが故に生徒数も少なく、春休み中に聞いた限りでは同級生は二人だけ。しかも二人とも男の子である。
 異性というだけで距離を置いてしまう人もいるお年頃だからこそ、慎重に距離を縮めていきたかった。同じ物が視えてしまう仲間と友達を超えて親友になりたかったのだ。
 なのに初っ端からやらかした。泣きたい。

「はじめまして!灰原雄です!!」

 大きな声に俯いていた顔を上げる。視線が合い、ニカッと笑ってくれたのは黒髪の少年。
 朗らかな彼が私に気を遣い、私よりも大きな声量で挨拶をしてくれた。嬉しさと申し訳なさが混じる中、私は灰原雄に良い人判定を下した。

「七海建人です。初めまして」

 頭を下げ、丁寧に名乗ってくれたのは金髪の少年。少し大人びて見えるのは外国の血が混ざっているからだろうか。純粋に疑問に思って尋ねてみれば、やはりハーフらしい。
 何度も聞かれているだろう質問に嫌な顔一つせず答えてくれた彼もやはり良い人だろう。
 呪術界には気難しい人ばかりだと聞いていたのに私の運は良かったらしい。
 この時、上手くやっていけそうだなと思ったのは私だけではなかったようで、無事にすぐ距離感がバグってしまった。

「七海、灰原!五条先輩からの指名でお仕事だって。ほぼ徹夜になるみたいだから、早めに資料確認をお願い」

 入学して間もなく。
 急いでかき集めた資料を二人に手渡す。
 術式を持たず、元から運動神経も良くない私は護身術程度には習いつつ、補助監督や窓として就職するために学んでいた。
 そんな中で五条先輩から沖縄空港


「ありがとうございます。相変わらず読みやすくて助かる」
「本当?褒められるとやる気出る!七海は褒め上手だね!」
「いえ、私は事実を述べたまでです」
「七海照れてるの?」
「灰原は少し黙っていろ」

 あっという間に気安い関係になれた