ネタ帳

2025 / 10 / 08
風花雪月ネタA

トリップ主の次に闇に蠢く者側の話を考えていました。
闇に蠢く者たちに可愛がられているものの、敵側に同情もしてしまう暗い話になりそうだったものです。










 先祖はセイロス教の関係者に討たれ、私たちは地下での生活を余儀なくされている。悪いのは全て、今は女神と呼ばれるソティスとその眷属。我々は先祖の恨みを果たすことことが悲願なのだ。
 そう教えられて育った。けれど私は痛いのも人を傷付けることも苦手で、目的のために人を殺め、人体実験すら罪悪感を抱かずに行える同族を見て、きっと自分がどこか可笑しいのだと思う。
 先祖を思えば出来るはずのことが出来ない。そんなアガルタの民の中でも異端な私をみんな受け入れてくれている。その優しさが辛かった。

「私がその娘に……?」
「頼めるか?」

 人の肉体を乗っ取り、成り代わることが出来るのが私たちの強みだろう。そうやって何年、何十年、何百年とひっそりと力を蓄えてきた。
 今回アガルタの民に囚われてしまったのはアンナという名前の商人だ。

「でも、可哀想……」

 同じ人間が二人存在するのは可笑しなこと。成り代わりが済めば、元の人間は排除するのが倣いだ。それを可哀想だと思うのはやはり私が異端だからなのだろうか。
 タレス──今は帝国の摂政、アランデル公の姿の彼は私の頭を撫でる。

「我々の未来のためなのだ。……そんな顔をするな。ああ、そうだ、帝国で焼き菓子を買っておいたのだ。食べるといい」
「ありがとう」