幕間
――カァー!
真白い鴉が産屋敷の館の上空を焦ったかのように旋回する。
その姿に館にいた産屋敷の人間と、お館様直々に任務を下されていた煉獄杏寿郎は嫌な予感に身を包まれた。
白い鴉。あの鴉の主は、
「上弦ノ弍トノ戦イニ於イテ、胡蝶カナエ死亡!我ガ主モ重症!」
鴉は縁側近くまで来た耀哉の正面に降り立つ。そして、知り得た上弦の弍についての情報を全て伝えた。
耀哉はいつも通りに的確な指示を下し、杏寿郎にも任務に当たれるかを確認した。無論、杏寿郎は柱なのだから、何があっても任務は遂行する。
「しかしながら、出来ることなら彼女の容態は逐一ご連絡くださいますと幸いです」
杏寿郎の恋心を理解している耀哉は勿論だと頷いた。
杏寿郎が去り、駆け寄る妻と子どもたち。きっと大丈夫だと我が子を宥める耀哉の手が震えていることにはあまねと輝利哉しか気付かなかった。
早くに席を立った耀哉の耳元でヤシロが囁く。
――嗚呼、やはりそうなのか、姉さん。
良くも悪くもあるその報は耀哉の心に深い傷を負わせた。
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