幕間
表情が豊かになったあの御方からは浮世離れした雰囲気が消えてきたように思える。
まるで私は此処にいないのだとでも言いたげなあの空気感。それが消えたのは喜ばしいことだ。
今日は本当に幸せだった。
弟とあのお方が本当の家族のように笑い合う姿を見れたことも、二人で作った晩御飯を食べられたことも、全てが最高の瞬間で。
あの場に父上が昔のように笑っていてくれたら、それは更に幸福であったことだろう。
微睡む。
次があるのかは分からない。けれども、何時か四人で共に過ごせたらと望んでしまう。
その日、俺は世界で一番幸せな夢を見た。
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