里の被害は最小限に抑えられ、刀鍛冶たちは拠点を移した。
 七日間意識を失い、やっと目を覚ました炭治郎は隠の後藤から話を伺っているところだ。
 柱の二人は二日眠って、その後三日でほぼ全快。キノエさん……名前さんは当日中に事のあらましをお館様に報告後、一日休んでから任務へ向かったらしい。尊敬してしまう。
 甘露寺さんも時透くんも強いけど、名前さんは更に強かった。匂いがこう、頼りになる……そう、煉獄さんに近いものを感じたのだ。お館様に似た匂いもして、どうしてもソワソワしてしまう。
 禰豆子はちょっとずつまた言葉を覚え始めていて、どうやら俺が眠っている間に名前さんのお世話になっていたそう。
 すごく懐いてしまったみたいで、次はいつ会えるのか、よく人に尋ねているらしい。
 名前さん、元気そうで安心したな。煉獄さんが亡くなったとき、とても寂しそうな匂いをしていたから。
 しのぶさんにも名前さんの様子はどうだったか聞かれたし、とても人望の厚い人なのだろう。
 善逸も俺たちの話を聞いて、「それ、煉獄さんとあの人がお付き合いしてたってことじゃない！？」って興奮していたし、本当にそうであるのなら、恋人を亡くすなんて胸が張り裂けそうになるほど苦しかったことだろう。
 そこからしっかり立ち直れたのだから、やっぱり名前さんは強い人だ。
 俺も早く追いつかなくっちゃ！

「……い、おい！話聞いてるか！？」
「すみません！聞いていませんでした！」
「お前なぁ……！」