※擦れナルシカ in銀魂


ここはかぶき町。
多くの店の営業が夜からの為、昼間の今開いている店は疎らである。
そんな寝静まった町に1人。黄色い帯がアクセントとなった紅葉模様が鮮やかな紺色の着物を纏い、長い艶やかな黒髪は一つに纏められている。
その黒髪が風にのってさらりと靡いた。
彼女はコンビニの前で立ち止まって町並みをその切長な瞳で眺めていたが、ふと馴染みの人物を見つけて視線をむけた。それに気が付いた相手にゆっくりと近付いた。

「む、シカマルではないか」
「あ?あぁ、小太郎か」

声を掛けられたシカマルは普段と違う桂との格好の違いに一瞬驚いたものの、違和感無く似合った姿に上から下までじっくりと眺めた。

「小太郎ではないヅラ子よ」
「なかなか似合ってんじゃねーか」
「ほほほ、かまっ娘倶楽部のNo.1も目前よ」
「そりゃやべーな」

この昔馴染みは一体どこを目指しているのだ。いや、似合ってはいるが。

「小太郎はこんな所で何してんだ?呼び込み?」
「ヅラ子よ。買い出しだ。パー子と一緒にな」
「パー子?」

小太郎の視線の先にはコンビニ。ウィーンと音をたてて開いた自動扉から出てきたのは小太郎の言うパー子。
ふわりと靡く銀髪は二つ結びにされており、薄ピンク色に花柄の着物、帯は赤色。眠たげな目元は赤のアイラインが印象的でーーー

「やっと買えたわイチゴ牛乳。レジ打つのめちゃくちゃ遅くてよぉ」
「ぶはっっ」

思わずシカマルは手で口を塞ぎ、顔を背けた。

「遅いぞパー子」
「げっ、なんでシカマルが!?」

シカマルは珍しく息も絶え絶えな状態で、腹を抱えて蹲ったシカマルに銀時は動揺する。いやでもまだバレていないかもしれない。めっちゃ笑ってるけど。

「は、はじめましてぇパー子でぇす」
「ぶっ、くく、ちょ、ナルト呼んでいいか?」
「なんの事だかぁ分からないんですけどぉ」
「、やめろその話し方、くっ」
「なぁ、そんな爆笑する所あった?」
「ぶはっっ」

もう何を言ってもツボにハマったシカマル。こりゃダメだと思わず銀時は頭を抱えた。先程までは堂々と町を歩き、コンビニで買い物までしていたのだが、実を言うとコイツらにだけは見られたく無かったのだ。

「ナルトも来るのか?」
「絶対ェェェ呼ぶなよ!!」
「別に良いではないか」
「俺はお前と違って好きでこんな格好してるわけじゃねぇんだからなァァァ!!」
「何を今更恥ずかしがっておるのだ?」
「恥ずかしがってねぇよ!!かっこいい兄貴分として2人の夢を壊す訳にはいかねぇだろうが!!」
「いや、銀時をかっこいい兄貴と思ったことはねぇ」
「え!?」

心底ビックリしたみたいな顔をする銀時にこっちがビックリだ。そんな風に思われてたわけ?

「シカマルは此処で何をしていたのだ?」
「あー、俺は急ぎの注文の配達」 
「1人で?」
「……」

にやりと笑うシカマルに銀時は頬を引くつかせる。

「……アイツも居るが紹介しても?」



……それはまた今度でお願いしまっす!!

それはもう潔い綺麗な角度で頭を下げた懇願だった。



ーーー
出ていくタイミングをはかっていた主はまたショックを受けてます。

拍手ありがとうございました!
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