シンドリアにて


※会話文のみ


・ピスティとヤムライハの場合

「ハッピーバレンタイーン!」
「ばれんたいん?」
「なぁにソレ?」
「ありゃ、やっぱこの国にはバレンタインないんですかぁ。厨房使わせてって子が1人も居ない訳ですぅ。」
「ばれんたいん?って何なの?何処かの国の物なのね?」
「食べ物?遊び?ゲーム?うーん、なんだろ??」
「バレンタインはぁ、国によって違うんですけどぉ、簡単に言えば好きな人にチョコを渡す日ですぅ。」
「好きな人?」
「え!私たちにくれるの!?ありがとうユキ!!」
「ありがとう。好きな人って、異性の事じゃないのね。」
「うーん、最近では色んな意味を持たせて贈ることが増えましたからねぇ。因みにこれは友チョコですぅ。」
「わぁい、嬉しいな!」
「お返しは一月後に三倍返しで宜しくお願いしまぁす。」
「ちっ、それが狙いか!」
「ちゃっかりしてるわね。」



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・アラジンとモルジアナの場合

「ハッピーバレンタイーン!」
「わあっ、これはなんだい?」
「可愛いですね。」
「お二人にプレゼントですぅ。」
「開けてみてもいいかい?」
「どうぞぉ。」
ガサガサ
「チョコレートだ!」
「…甘い香りがします。」
「今日、2月14日は親しい人にチョコをあげる日なんですぅ。」
「え!そうなのかい?僕何も用意してないよ。」
「私もです。急いで買いに行きましょうか。」
「うーん、でももうお店は閉まってるんじゃないかな?」
「そうですね…どうしましょうか。」
「そんなに深刻にならなくても大丈夫ですよぉ。この国にはこの行事は無いみたいなのでぇ。」
「そうなのかい?」
「では、ばれんたいんとはユキさんの祖国の行事ということですか?」
「はいぃ。じゃあまだ配ってる途中なのでぇ。」
「あ!ユキさんありがとう!」
「ありがとうございます。」
「はぁい。」
タタタタッ
「…何かお返ししたいです。」
「僕もだよモルさん。」



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・シンドバッドの場合

「シンさんハッピーバレンタイーン!」
「お、ありがとうなユキ!」
「あれ、シンさんはバレンタインの事知っているんですねぇ?」
「いや、東方の国にそういった行事があるとは聞いた事があるが、詳しい事はさっきピスティに聞いたんだ。お返しは来月でいいんだな?」
「わーい、シンさんのはとびきり豪華にしておきましたからぁ。」
「本当にちゃっかりしてるな。」
「チョコに意味がある事は聞きましたかぁ?」
「意味?」
「はい。好きな人には本命チョコ、付き合いで渡すのは義理チョコ、友達には友チョコ。」
「ほお、色んな意味があるんだな。因みに、このチョコは何チョコだ?」
「義務チョコですぅ。」
「…は?」
「義務チョコですぅ。」
「ギムチョコ?」
「義務チョコ。上司とかに礼儀で渡すチョコですぅ。」
「…ユキ。」
「はい?」
「俺はバレンタインの事はよく知らないが、そういう事は伏せておくべきだと思うぞ。ぐすっ。」
「ははは、もともと義理から派生した言い方なんですよぉ。元々は本命か義理かの二種類なんですぅ。」
「ほぉ、なかなか興味深いな。因みに、本命チョコは誰に?」
「秘密…ですかねぇ。」
「ふっ、まぁいいだろ。お返し、楽しみにしていろ。」
「わぁい。」



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