銀さん
「あ、そうだ。はい神楽ちゃん。」
「?なにアルか?」
「今日ホワイトデーでしょ?バレンタインのチョコのお返しだよ。」
「マジアルか!キャホーッ!!ありがとネ新八!!」
「…」
マ、マジでかァァァァア!!?
え、嘘だろ?嘘って言ってくれよォォ!今日が……今日が……ホワイトデーだったなんてェェェェ!!?
いや、アレだよ?忘れてた訳じゃねぇよ?駄メガネでさえも覚えてたのに俺が忘れる訳ねぇじゃん!?…いや嘘です。ユキへのお返し以外はスポーンッと抜けてた。ユキは今日仕事が休みで、外せない用があるらしい。なら渡すのは後日でいいかと油断していた。
「ところで神楽ちゃん。銀さんからは何貰ったの?」
「(ギクゥゥッ)」
「何も貰ってないアル。」
「え、そうなの?(何やってんだこの人は…)」
「ほらアレだよ?別に忘れてたとかじゃねぇよ?」
「忘れてたんですね。」
「忘れてたアルか。」
「ばっ、違ぇっつってんだろォォが!!アレだよアレ…お妙はキャバ嬢だろ?この日はバレンタインのお返しを客からたんまりと貰う訳だ。」
「はあ、まぁそうですね。」
「姉御バレンタインチョコ一杯持ってたヨ。」
「だろ?俺は、そんな女共の事を思って日にちをずらす事にしたんだよ。」
またこの人は…と新八が呟いたのは聞かなかったことにしてやる。銀さんは大人だから。
「マジでか!じゃあ今から姉御に会いに行くから、伝えておくアル!銀ちゃんがスッゴイお返しくれるって!!」
「か、神ァ楽ちゃァァァん!?待ってェェェそんな煽るような事…」
ガラガラ…ピシャンッ
「…」
「…」
「知りませんよ僕。」
「チッ」
「自業自得でしょうがァァァ!!」
────
そんなこんなで翌日。急遽揃えたケーキの材料。もう去年と同じ感じでいいよな?と二段にした、少しだけ豪華になったケーキ。
これを女共に渡して好き勝手やらせといて、俺は去年同様ユキと二人きりで過ごす予定だったのだが…。
「ユキは此処に座るアル!」
「あ、うん。ありがとう。」
「なんか正攻法で此処に来るのドキドキするんだけど。玄関から入ったのなんでいつぶりかしら。」
「私卵焼き焼いてきたんですー。よかったら皆さん食べてくださいね。」
「ありがとうお妙ちゃん。女子会って聞いて僕は弁当を持ってきた。」
「わっちは幾つか酒を持ってきたでありんす。神楽にはコロナミンCじゃ。」
「キャホーッ!ありがとツッキー!」
「全く、飲み過ぎるんじゃないよ。」
「安酒ジャナイダロォナ。」
「お歳勢さま、こちらは準備が出来ました。」
ユキも来てるし人数も増えてるゥゥゥ!?え、もうこれ既に呑み会じゃん。女子では無い奴らもいるから女子会じゃ無くて呑み会じゃん。ホワイトデー関係無いじゃん!?
…でもまあ
「坂田さん、お団子沢山買ってきたのでよかったら食べてくださいね?」
楽しそうにするユキを見れば自然と頬が緩んで。こんな年もアリかな、なんてそっと目を伏せる。
「私があーんしてあげるわねダーリン!!」
「卵焼きも食べてくださいね銀さん。」
…あ、やっぱナシで。
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