お菓子が足りない


「トリック オア トリート」

午前中から何人かやってきた子供達に微笑ましく思ってお店で用意したお菓子を渡していた。私の居たところではハロウィンなんてやったことがなかったからある意味新鮮だった。
そんなときに現れたのは坂田さん。随分とハシャいだ格好をしている。コレって子供の行事じゃないのかな?

「銀さんそれ何の仮装ですかぁ?あ、変質者?」
「ちげーよ!!さっきも言われたんだけど!」

そりゃあそんな包帯グルグルで歩いていたら怪しいでしょうよ。そんな事より、と銀さんがまさちゃんに手を出す。

「はあ、しょうがないですねぇ。お店のは子供の分しか用意してないんでぇ、私の用意したやつあげますねぇ?」
「おー、さんきゅー…って飴かよ。」
「ユキさんのに気合い入れたら、後はどうでも良くなっちゃってぇ。でもコレスゴい美味しいんですよぉ!」
「お前、本音少しは隠しなさい。ったく…すっぱ!!!何コレすっぱ!!!」
「レモンキャンディなんですけどぉ。これくらい酸味があるのってなかなか無くてぇ。」

まさちゃんてすっぱいもの好きだったのか。知らなかった。涙目になってるよ銀さん。

「あー、駄目だわコレ。糖分が足りない。」

ん。と言って私に手を伸ばす。
?首を傾げる。

「トリック オア トリート!」
「あぁ。ちょっと待って下さい…はい、どうぞ。」
「用意してあんのかよ。」
「え?あ、はい。まさちゃんと交換しようって話になって。折角なので、幾つか私も作ってきたんです。」
「持ってなかったらイタズラでもしてやろうと思ったのによー。」
「え?」
「な、なんでもねーよ。」
「はっ、ザマァ。」
「テンメェェェエエエ!!」

相変わらず仲良いね。
余っても困るので、あんまり量は作っていない。まさか銀さんがハロウィンイベントに参加するなんて思わなかったから…。
あ、これって結構皆さん参加する感じですか。


お菓子が足りない
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(この調子だとまだ誰か来るかも…)

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