ハロウィンを口実に


「む?何故お主は仮装しておらぬのだ?」

まさちゃんが休憩に入ってすぐ、通りかかった桂さんがそう言った。なんでサンタさん?

「…いや、何故と言われましても…」
「今日は仮装をして、堂々と攘夷活動の仲間を募る日であろう?」

なんだソレェェェ!

「それに、仮装している奴は攘夷活動に参加するという意思表示をしていると聞く。お主もそのつもりならば、何か仮装するべきであろう。」

え?いや、全然そんなつもりないけど。てかなんでサンタさん?時期が違うだろォォォ!!どっかずれてるなこの人は!

「仕方がない、今回だけだぞ。」

ゴソゴソと背負っていた白い袋に手を突っ込んであさり始めた。嫌な予感しかしない。

「ほら、これを使いなさい。全く、しょうがない子ね。」
「…」

差し出されたのは猫耳カチューシャ。冷めた目で見ていたのに特に気にする事なく私に装着した。ちょっ!止めろォォォ!!
急いで取ろうとするが、取れない。取れない!!!なんでェェェ!?うわっ!尻尾が生えてきた!!

「ふふん。これは天人が作った仮装道具でな。誰でもプリティーなネコ娘になることが出来るんだ。」
「…取れないんですけど、」
「『もうすぐハロウィン!嫌がるあの子もコレでネコ娘!自動で尻尾も生えてくるよ!外し方は簡単!”trick or treat”と言ってお菓子を貰ってね!対象年齢6歳から。種類は黒猫、白猫、三毛猫の三種類。別売りでメイド服もご用意して…』」
「…」
「うむ。メイド服も用意したが着るか…」
「桂ァァァアアアっっ!!!」

ドカーンッ!!

「…」


ハロウィンを口実に


(…どうしろと?)

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