いたずら希望


神威さんにいただいた大量のクッキーは、取り敢えずまさちゃんに手伝って貰って中に運んだ。小袋に何枚か入った手作りらしきクッキーはとても美味しそう。…こんなにいらないけれど。

「ユキちゃんはいるかのう?」
「げ、出たなモジャ。」
「アッハッハッハ、助けてー。」
「え?あ、まさちゃんっ。」
「ムゥー…」

まさちゃんが拗ねた。可愛いなぁ。坂本さんはカボチャを被ってる。モジャモジャの頭で被れてないけど。

「とりっくおあとりーと」
「あん?」

あん?って…まさちゃん口が悪くなってるよ。

「じゃから、とりっくおあとりーと!」
「モジャ野郎、テメーにやるようなもんはないんですよぉ。さっさと帰りなさぁい。」
「お主には言うとらん。」
「なんですっ「すいませーん」…ちっ、はぁい!」

まさちゃんが他のお客さんに呼ばれて行った。私は食器を洗い終わり、布巾で手を拭く。ふと視線を感じ、顔をあげた。

「お菓子はくれんってことかのう。じゃあ…いたずら、じゃな。」
「え?」
「そんな物欲しそうな顔して…」
「は?」
「じゃあ、何をしようかのう。」
「えぇ!?」


いたずら希望、じゃろ?


(お菓子あげますから!)
(まぁ、遠慮するんじゃなか)
((遠慮じゃない!!))

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