切れた紅い糸


明日も明後日も、ずっと繋がっていられると思っていた。
そう信じていた。

「いたっ!」

バイオリンを肩から下ろすと弦が一本切れていた。
それは指先を傷付けて、だらりと垂れ下がった。
溜め息をついて、ふと窓の外を見ると彼女がいた。
他にも人はいるのに一瞬で見つけてしまう自分が嫌になる。
もう、ただのクラスメイトでしかないのに。
こちらに気付いたのか驚き、そして気まずそうな顔をした彼女の側には隣のクラスの男子生徒がいた。
そんなこと、知っていた。
いつものように笑ってみせると彼女は泣き出しそうな顔をした。

「泣きたいのはこっちだよ」

指先からぽたりと雫が落ちる。
じんじんと痛むのは指先なのか心なのか。
血を拭わずに握り締めた拳が、かすかに震えた。

2008/7/2(2012/5/7 加筆)

タイトル:+DRAGON+BLUE+

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